Wednesday, December 20, 2006

SD: MTつかまり,Coady全快!

12月1日

4日ぶりに自分のアパートで寝たものの12時には発たなければならなく,あまりゆっくりも出来なかった。準備をして泊まっていた写真家のK氏に別 れを告げ,MTとともにDaleの家に向かう。車をDale家近くの路上に止めそこからはバンで皆とともに行く。運転手はCoady。途中で高速を降り以 前寄ったメキシコ料理のファーストフード店,Pedro's Tacosで昼食を取るhttp://toshimanaki.blogspot.com/2006/01/long-beachvs-sermon.html#links 参 照)。相変わらずレジのねえちゃんは愛想が悪い。でも味は良い。以前と比べるとタレの量がちょっと減っていたようでさっぱりしすぎていた。次回に期待。そ こから高速に戻りちょっとしてMTがトイレに行きたいのと言うので高速を降りトイレを探す。高速は渋滞していると思われトイレを見つけた後もしばらく海沿 いの道を走ってSDのダウンタウンに向かう。

海沿いを走り30分弱で会場に到着。ここは以前AltamontもBlack Heart Processionの前座でプレーした事のあるバー,Casbah。すでに残りのクルー,メンバーは会場入りしていた。しばらく会場で色々な人と話をしているとTimが現金を渡してくれた。これは夕飯代として経費か らまかなわれるもの。「サンキュー!」と言うとその隣にいたMTにもTimは現金を渡した。慌てて自分は「オイ,Tim,良いのかよ,そいつ(MT)にも 渡して?」Timは笑いながら「昨日,こいつは立派なバンドメンバーだったよ」と言った。MTは渡された金が何が何だか分からない様子。それを説明すると 大喜び。DaleとDanに誘われ,MTと近くのバーに行ったがMTが持っていた身分照明書がそのバーでは認められないと言われ2人で会場に戻ることに。 正直,もう少し待てば会場から酒は出てくるのでどうでも良かった。先にホテルをチェックインして荷物を置いて食事を取りホテルでサウンドチェックまで待つ 事にした。

サウンドチェックの時間が近づき会場に戻る。ホテルから徒歩3分くらいの会場に着くとJaredがいたので「今日はHot Sauceは"来る"のか?」と聞くと「この会場はHot Sauceには狭すぎる。大きい会場でないと"彼"は納得しない」との事。明日のCosta Mesaの会場もそれほど大きくない。と言う事はSoy Sauceとの公演はLAが最初で最後になってしまった。Melvinsがサウンドチェックをしている間,他のバンドらしいき人間達が入ってきた。そこで 初めて今日はもう一つのバンドがAltamontの前にあると知らされた。その中の一人が自分に話し掛けてきた。偶然だがCoadyと知り合いだったらし い。しかもバンドではなくコメディー劇団であった。同じ日にちでその会場でのライブを望んでいたので「Melvinsがくれば人も集まるから前座やらせて もらえば?」とエージェントに言われたらしい。

Altamontがサウンドチェックを行う。Coadyはまだ不安のようだ。SFであわせた"Pirate Love"はDaleのボーカルでLA公演も行い今後も演奏する事になった。Coadyはその曲の構成をまだ完全に把握していないようだ。 Altamontのサウンドチェックが終わると同時にTimがメンバーに向かって「今日はHot Sauceはやらないんだよな。会場が小さいか...待てよ!Hot SauceがいなくてもSoy Sauceがありえるなぁ?」と言い,自分の方をチラッと見る。「Hot Sauceがこの会場が小さいって言っているなら,Soy Sauceにとっては話にならないだろう!」と自分が言い返す。笑いながら立ち去るTim。

開演まで時間があるのでホテルで休もうと会場を後にした。会場を出ると「Toshi!」と叫ぶ声が聞こえた。振り向くと,よく色々な場所での公演 で見かけるMelvins / Altamontのファンの一人がいた。「完売である事知らなくて...チケット取れなかったんだよ」と言う。このファンは以前も同じ場所で同じ事を言っ ていた。「でも俺はなんとかするけど,そこにいる彼が大丈夫なぁ,と思うよ」と自分の後ろにいたアジア系の人間を指さす。そのアジア人は「Toshiだ ろ。君のことは知っているよ。MelvinsのCDにも携わっているんだろ。僕はこのためにフィリピンから来たんだ。MelvinsとAltamontは 自分の人生を変えたバンドだ。今晩はどうしても観たい。でもチケットが手に入らないんだ。なんとかならないか?」と一方的に話してくる。その後も自分の やってきた仕事のことなどの話してきた。自分の存在を知られていないのもちょっと寂しいが,そこまで知られている事でちょっと怖くなってきた。「絶対に余 分にチケット持っている人が現れるから,聞きまくりな」と言うと,「でも俺はアジア人だし...」と訳の分からない言い訳をしてくる。「アジア人とかそん な事は関係ない。チケットを欲しかったら皆に聞くしかない。もし駄目だったら明日のCosta Mesaにくればいい。ここから1時間くらいだ」と言ってそのフィリピン人に別れを告げホテルに行く。

開場時間になり会場に戻ると人は半分を埋め尽くす位の客が集まっている。この開場には楽屋がないため,バンドへの差し入れはバーの飲み物との引き 換え券である。それをTimから渡されたものの,昨晩のLAでの失態(酒とは関係がない)があったので演奏前は飲まない事にした。それをMTに渡すと彼は 大喜びでビールを次から次へと飲み始める。一つ目のコメディーが始まり人がステージ前に集まり始める。笑えるところは20分くらい中1つか2つであったが 帰っている客はいないようだ。Altamontの番になる。開場も殆んど埋め尽くされている。曲が始まるとステージの目の前に一人の兄ちゃんが所狭しと踊 り始めた。かなり激しく踊り叫んでいる。MTはステージほぼ中央でDaleとDanの間でいつものようにダンスと照明係をしている。写真を撮ろうとしたの か,MTはステージ下に降りた。その激しく踊る兄ちゃんがMTを両腕の上から抱きかかえMTを宙に浮かせ左右に降っている。何が何だか分からなくなった様 子のMTの顔が目に飛び込んでくる。"いかん!演奏に集中しなければ"と他を見始め気を取り直す。Coadyの方を向いてみると彼はDaleの方を向いて いない。(”Pirate..."以外の)曲を覚えたようだ。完全に入っている。バンドのノリも当然変わって来る。今ツアー最高の出来。自分も間違いは殆 んどなかった。

演奏が終わると汗だくなCoadyは涼しい笑顔で「やっと曲を覚えた。楽しくなってきた。もっと君達と一緒に(このツアーで)やりたかったよ」と 言ってくる。MTは「なんか変な兄ちゃんにつかまって振り回されちゃったよ」とまだそのことで驚きを隠せない様子。全員が片づけをしながら一番良いショー だったとつぶやいた。その後はいつもどうりPorn,BB,Melvinsと繋がる。

全ての公演が無事に終了して何人かの客が残っていた。数人の客が自分に寄ってきて誉めてくれる。その中に「Toshiだろ。演奏,良かったよ。面 白かったよ。ここにいるのは俺の友人のJだ!」と一緒い来ていた者を紹介してきた。その友人は自分の名前をもう一度聞き直した途端「"とし"って"カモ ン,トシ~。カモン,トシ~!"と同じだ!」と大喜び。例のヴァミリオン・プレジャーナイト(?)(http://www.youtube.com/watch?v=4apVNRoRzfc参照)のお色気英会話をYoutubeで観たらしく,始めて"Toshi"と言う名前の人物に出会ったようでやたらと興奮している。「俺もAltamont聴いてみるよ!」と訳の分からない衝動を機にAltamontに興味を示したらしい。

彼等と話しているとDanが自分とMTに声をかけてくる。Danがしつこそうな女性ファンをまるで自分達に引き渡すかのように,「Toshi, MT,君達に紹介したい人がいるよ」と言って来るので,仕方なく彼の方に行く。その女性ファンの話が始まるとDanは「ちょっと俺ステージに忘れ物したか ら,取りに良くわ」と自分らを置き去る。その女性ファンはMTをかなり気に入っていたようだ「彼(MT)はおお暴れね!でもあなた(自分)はシャイね!端 の方でこそこそ弾いて」ステージが小さいため体を動かすのがやっとだと言う事は彼女には分からないだろう。説明するのも面倒だったので,「ああ,俺はシャ イなんだよね。こいつ(MT)はAltamontの顔だから...」などと言ってその会話を終わらせた。

店が閉められホテルに戻る。MTとDanとが相部屋。MTは公演後12人に誉められたと大興奮。自分は一桁の客にしか声をかけられなかっただけにちょっとむかついたが,今回のツアー初めて納得の行くライブとなり,美味い酒を飲み良い気分になった所で床につく。

No comments: