Tuesday, April 03, 2007

Austin 2: ダブル・ヘッダー,ステージと言うなの食卓。


3月16日

Vice Stage: Austin, Texas

昼の1時ににロビーで待ち合わせをして会場に向かう。今日は野外ライブ。バンで5分くらいの住宅街の中にある会場。空き地にステージを設定したよ うだ。まだ客はまばらだ。係員の段取りがあまりよくない。あまり客がいないのにも関わらず,開場した後なのでバンをステージ近くまで乗り込むのは危険だと 言う。「責任者と話させてくれ」と言い,しばらくしてからようやく許可がおり,機材の取り入れば始まる。空き地なた目地は舗装されていないため機材を運び 込むのに一苦労。自分の機材をミキシングブースまで持っていきサウンドエンジニアと挨拶をする。無愛想でバンドの名前なども把握しておらず,やる気が全く 感じられない。が自分のセッティングに必要な機材を文句一つ言わず用意してくれる。

客の少ない会場を見渡すと奥の方に車が2台止まっている。これらはCoadyから聞いてはいた"Melvins Cars"なのである。今回のScion主催の14日のショーのためにScionの2台の車にMelvinsの絵を書いたものである。その絵の写真はメー ルで送られてきたものをCoadyがあらかじめみせてくれていた。Guns 'N Roseのアルバム”Appetite For Destruction”の表紙のような4人の骸骨の絵である(写真)。ちなみにCoadyの絵にはなぜかサングラスが。それを見て「どうせ俺は見た目が 普通だよ」と嘆くCoady。

一つ目のバンドの準備が終わると一気に客が入ってくる。開場にアナウンスが流れる。「Borisがキャンセルしました。その代わりに Turbonegroのセットが長くなります」歓声が起こる。続けて「それと2バンド目の予定のQuiが車の故障の為,来れません」ただでさえ段取りの悪 いこのショーがますますメチャクチャになってくる。

BBの出番は2バンド目。機材をステージに取り込むときQuiのメンバーがやって来た。どうやら間にやったようだ。Quiは最後の方に演奏すると アナウンスで訂正される。BBの演奏が始まると1バンド目の時は半分くらいしか埋まっていなかったステージ前がぎっしり埋まる。Daleは今日も参加。な かなかの盛り上がり。観客の直ぐ隣で"誰かいつか自分にぶつかってくるのでは?"と思いつつも演奏を無事終える。

機材をバンにつみなおそうとバンに戻ると通路は他の車で埋まっている。どうするものか,とJaredと待っているとDaleがやってきて「トシ, そろそろ行かなきゃ」とPornのライブの時間が迫っている事を知らされる。積み込みは残った面々に頼み,Jaredがホテルまでバンで送ってくれた。ホ テルに戻り着替え次の会場へ向かう。TimとKurtが会場で合流。楽屋で機材の準備をする。しばらくすると前のバンドの演奏が終わる。機材をステージ上 にセットする。それを終えるとまた楽屋に戻る。彼等は前回のMelvinsツアーから衣装を着るようになっている。その衣装に着替えるため楽屋に戻った。 その時,Timが「トシは何を着るんだ?」と言ってくる。今回限りの自分も何か着なくてはいけないようだ。昨晩,飲んだ時に彼等からそれは言われていたの で,一応,海パンを持ってきておいた。Timはサンタ。Daleはエルビス。Kurtは短パンに上半身裸でその上からベスト。それにスポンジで出来たカウ ボーイ・ハット。自分は海パンに上半身裸で乳首を一直線のダクトテープ隠し,それにサングラス。

その格好でステージに上がりあらかじめ用意していたBBQを持ってステージに上る。会場は狭いバーで,前にいたバンドの時は少ししか客がいなかっ たがPornのバンになった時は満員になっていた。1曲目(曲と言って良いものか?)の時,それぞれが自分の楽器でノイズを出しそれと同時にBBQを食べ 始める。Timはギター・エフェクトで作ったループ。Kurtはベース・フィード・バック。自分はフォト・テルミン(光に反応するテルミン)を使い, Daleはベース・ドラムを踏みながら片手でドラムを叩き,もう片方でBBQを食べる。自分はまだ口内炎の痛みがあるので,少しかじってはビールをがぶ飲 みして肉を喉に流し込む。しばらくするとTimの合図でノイズが曲になっていく。正直言って彼らの曲は1曲も知らない。Kurtがベースの指の動きを大袈 裟に見せてくれて,それを観ながらの即興。個々の長いソロなどを含み1曲1曲が長い。自分はベース・ソロの時,テルミン用に持ってきている懐中電灯を Kurtに渡し,Kurtが懐中電灯でスライドを弾きながら,その光で自分のテルミンを照らす。その光を手でコントロールしながらエフェクトなどをかけ Kurtのソロに味付けする。いい加減な即興ながらお客は喜んでいたようだ。写真を撮っているものが多くいた。

客の反応もよく,昨日決まった上,曲を知らないのに何とかのり越えたライブ。気のあった連中だけに緊張はなかった。ステージはまだ慣れていないが もっと色々なバンドとやってみたいと思った午後であった。ホテルに戻りまた風呂に浸かり,口内炎の痛みがあったため人と喋るのが辛いために部屋に残る事 に。何度も観た映画がテレビでやっていたのでそれを観ながらライブや機材,これからのスタジオでの仕事のことなどを考えていると,いつの間にか Austinの夜はふけていった。

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