12月13日、
MinneapolisにあるTriple Rockと言うクラブの10周年を記念したライブをBig Businessにやってもらうよう頼んで来た。ライブ当日の午前4時半に家を出て、空港に向かう。飛行機を一度乗り換え現地時間の1時半にMinneapolis空港に付く。晴れてはいるが雪が残っている。寒さはLAとは比べ物のにならない。日本で言えば沖縄から北海道に移動したようなものだろう。空港に会場が迎えに出してくれたバンが来ていた。運転手のBはもの静かで運転が丁寧。
ホテルで休憩した後、7時に会場に着く。準備をしていると突然Buzzが自分の背後で大声をあげる。同じMinneapolisにあるBuzzの旧友が経営するクラブ、Grumpy's Bar and GrillでToolのAdam Jonesと共にゲストバーテンダーをしに来ている。そのついでに明日はGrumpy'sでMelvinsのライブが行われることが数週間前に決まり、そのついでのついでにTriple RockでBBのアンコールの代わりにMelvinsが数曲演奏することが数日前に決まった。AdamとDaleも会場に到着。
サウンドチェックを済ませ、会場で夕飯を取る。食事を終わらせると直ぐに前座のバンドの演奏が始まる。一つ目のバンドが曲の間に”今日は演奏させてくれたBig BusinessとMelivnsに感謝します”とMelvinsが演奏する事をばらしてしまっている。Big Businessの出番になり演奏していると、Melvins目当てで来た客が多いと反応を観て直ぐに分かった。どうやらシークレット・ギグではなかったようだ。それでもMinneapolisは客の反応が非常に良い。それと同時に酔っぱらいも多い。自分が演奏していると一番前にいた酔っぱらいが自分のギターの目の前に手を添えふざけている。こういう状態はなれて来た。無視して演奏に集中。
演奏を終えると休み無しにMelvinsが登場。自分はBuzzにケーブルを渡し楽屋へギターを置きに行く。全4曲でMelvinsの公演は終了。もの凄い盛り上がり。グッツ販売の準備をするのを忘れてしまったので、自分がステージにグッツを持ち込み売り始める。多くの客は自分の所までやって来て褒めの言葉をかけるだけでグックは買ってくれない。嬉しいんだか、悲しいんだか...それでも空港で払った荷物のチェックイン代くらいは稼げた。
片付けを終えると警備員権バーテンダーのCが自分の所にやってくる。彼は2年前に同じ会場で演奏した時も非常に親切であった事を覚えている。Cは自分にもっとビールを持って来てくると言うので遠慮なく頂いた。前回も飲んだのだが、MinnesotaのSurly(http://www.surlybrewing.com/beers.php)の幾つかの種類を持って来てくれた。前回も飲んだCynicAleはフルーツっぽく自分は好きになれない。Furiousはエナジードリンクを混ぜたような味で2口でギブアップ。最後に持って来てくれたCoffee Benderは苦みがるのすっきりしている。これはいけた。気づけばもの凄い量のビールを飲んでいたようだ。ホテルに戻り二日酔いが残らないよう水を数杯飲み就寝。
12月14日、
時差ぼけも少しあり、疲れもあり、その上に飲んでいたので起きると10時半を回っていた。12時過ぎにBが迎えに来てくれてTriple Rockに行き遅い昼食を取る。昼食を済ませるとホテルに戻り昼寝をする。気づくと6時を回っていた。外ではまた雪が降り始めたようだ。
7時過ぎに会場に着く。外はかなり強い雪が降っている。客の入りが心配される。自分はグッツ販売に専念。このショーはMelvinsのシングルレコード”“The Star Spangled Banner/Detroit Rock City”の販売記念も含まれている。それに加えBuzzの似顔絵が書かれた、BuzzoTシャツ、AdamのデザインしてToolのショーのオリジナルポスターが数枚売られている。自分はBig Businessのものだけを販売。会場されるとMelvins/Toolと書かれた列の方には行列が出来る。それでも自分の所にやって来て、”昨日のショーは良かったよ”と優しいファンが多くいたのは非常に嬉しい。売り上げもそれほど悪くはなかった。大雪の中、かなりの客が集まった。Buzzもその事には感謝したようで、ステージに上がるとまずはその事について語っていた。
演奏が始まる直前、Buzzが自分の所にやって来て「昨日はMelvinsがアンコールだったから今日はBig Businessがアンコールをやれ」と言ってくる。自分は正直大喜び。だがJaredの体調があまり良くないらしく早めに切り上げたいのでそれを断念。Buzzも残念がっていたようだ。
演奏が始まると数人の知り合いが自分の所にやって来てビールをごちそうしてくれる。Grumpy'sのビールセレクションもすばらしい。NYのビールHennepin Saison(http://www.ommegang.com/index.php?mcat=1&scat=3)を数杯飲む。これはベルギー風で多少の甘みがあるが苦みもきいている。非常に味わい深いビール。数杯目のグラス半分くらいまで飲んでショーを観ていると、今度はAdamがやって来て”何か飲むか?”と聞いてくる。Hennepinと書かれたグラスを持ち上げ”これ飲んでいるから良いよ”と言う素振りをすると、Adamは自分が”Hennepinよろしく!”と言っているのだろうと勘違いしたようで次のグラスを買って来てくれた。ふざけて両方のグラスのビールを口の両脇から飲むとAdamは大笑いしながら「お前は俺のヒーロだ」と大喜び。この夜もかなり飲んでしまった。
公演後も多くの客が自分の所にやって来て優しい言葉をかけてくれた。知り合いも多く、長話が続き中々会場から出られない。その長話の中に今回運転手を勤めてくれたBの話があった。彼の温和な性格に少し興味があり、運転手をするまでの経緯を尋ねてみた。彼は以前、福祉士として障害の持った子供を教育していたらしい。それと同時にバンドも行っていた。ある晩、そのバンドがパーティー会場で演奏を行い、Bは友人が多く来ていたので羽目を外して真っ裸になったらしい。数日後、その上半身だけが映った写真がネットに載り、それを観た上司がBをクビにした。そこで知り合いだったTriple Rockのオーナーが彼を雇い始めた。以前、多くの女性教師がMyspace等にきわどい写真を載せクビになる、と言う事が問題になっていたが、実際にそう言った経験を持つ人に会うとは思ってもいなかった。片付けが終わると雪の降るなかBは安全運転でホテルまで送ってくれた。色々な人生があるものだと思いながら就寝。
12月15日、
相部屋のCoadyがコーヒーを買いに出て戻ってくるとその寒さに驚いている。自分は大袈裟なリアクションと考えていた。荷物をまとめロービーに卸し、Bが来るのを待っている。コーヒーを買いに行った時コウモリが路上で凍死しているのを見たと言うのでそれを見に外へ出る。決して大袈裟ではなかった。それもそのはず-19度。写真を撮ろうと努力するが手がかじかんでシャッターが押せない。何とか一枚だけ撮りホテルに走って戻る。その寒さにキーキー言っていると一人の女性客が「あなたは地元じゃないでしょう?」と言ってくる。心の中で自分は”こんな所に住めるか!”と思っていた。
Bが空港まで送ってくれ、Bに別れを告げる。出発までは時間があるのでチェックインを済ませ、食事をしてゲートに向かう。雪の影響が心配されたが上手い具合に晴れてくれ飛行機は時間とおり。乗り継ぎのSalt Lake Cityで3時間待たされたのでそこでまた食事を取り、出発まで待つ。Salt Lakeでも雪が見られる。15分の遅れが出たものの飛行機は無事地元Burbankに着き。LAもかなり冷え込んで来たが-19度とは比べ物にならない。ちなみにこの晩、Minneapolisでは-30度まで下がるそうだ。
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