Monday, January 30, 2006

Bakersfield... ツアー日記(vs. the Sermon)

1月18日

2時にリハーサルスタジオにてDale,Sashaと自分の3人が集結。今回はヘッドライナーと言う事でステージの時間もあるため1曲増やしその1曲,"Sain of All Killers"を練習する。実際に自分がバンドに入ってから,5回も弾いた事のない曲だったので少々の不安があり数回ながした。その後,Sashaが先に去り,Daleと2人で荷積みをはじめる。そこへBuzzがちょっとしたギターを試しに来た。自分の買ったOvation Breadwinnerを見せるとしつこく「ぼられたな」と言い,「どうでも良いけどお前のGibson J-40売ってくれ」と訳のわからないことを言われつづけた。荷積みを済ませ一旦家に戻り,4時半頃Daleが自分を迎えに来る。BassのDanはSan Franciscoから今回のツアーを一緒に行うバンド,the Sermonのバンに同乗して現地集合。

途中で食事を済ませ2時間半くらいの運転が続く。牧場の臭いが車の中に充満する。"Bakersfieldが近づいてきた!"そう思わせる瞬間だった。高速を降りると4台のパトカーが自分等の先を行く。非常に嫌な予感。7時半に会場に無事到着。町並みはそれほど酷くは見えないが数人のホームレスの姿や,店じまいをして次のテナントを探している建物も目に付く。自分が荷物番をしてDaleとSashaが偵察に行く。しばらくすると二人が苦笑しつつ戻ってくる。「どうした?」と聞くと,二人は声を揃え「行けばわかる」と言い返してきた。その言葉に疑問を抱きつつ荷卸をはじめる。するといかにもパンク風の青年とその彼女らしき人物がバンの上に乗っている自分に話し掛けてくる。青年は「カバーしなくちゃ駄目だよ」と,雨もやみしかも荷物を下ろしている自分に言ってくる。重い荷物を下ろしている自分を見てかその彼女が自分の所に来て「ソーダを飲みなよ」と彼女が飲んでいたソーダを自分に差し出す。最初は断ったものの「駄目駄目飲まなきゃ」としつこく言われしぶしぶ手にする。勿論飲んではいない。荷卸が終わると一人のホームレスが小銭をせびりに来る。

恐る恐る会場に入るとなんとなく彼等の言っていた事が分かった。まずはじめに気付いたのは地元の酔っ払いが屯している。その中にはやたらガ体のいい小人さんもいた。その小人さんはテレビに向かって大声で文句を言っている。そして次に気付いた事はステージがないこと。一気にやる気をなくしてしまった。これじゃ人も集まらないであろうし,来てもステージがないためメチャクチャになる事が予想できた。

しばらくするとSan Francisco組が到着する。彼等の荷卸を手伝う。Danはベースアンプ,キャビネットをAltamont以外の2バンドのべーシストに貸して上げる約束をしていたらしい。一番最初のバンドとは面識はなかったもののEメールでやり取りをしていて貸すことにしたらしい。するとそのバンドの女性べーシストは「DanにはBl◎w J◎bをしてあげるかりが出来てしまったわね」と返事をしてきたらしい。勿論冗談とは分かっていたもののDanはじめほとんどの男性人が彼女に会う事を楽しみにしていた。そしてそのバンドが到着するとべーシストの姿が見つからない。送れてくるのかと思い残りのメンバーに聞くと,出発する直前にクビにしたらしい。Danはとても悔しがっていた。

人は意外なほどに集まったものの,やはり久々のライブで興奮して来ていたため,かなりの落ち込みが皆から伺えた。思わず酒が進んでしまう。一つ目のバンドがべーシスト無しで演奏をはじめる。ベース無しでもなかなかいい演奏をしている。自分は楽屋,といってもビールの倉庫,でギターを握りDaleとともに軽く練習をする。しばらくするとMelvinsのTシャツを来た背のデカイやせ男が勝手に楽屋に入ってきて,「Altamontttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt!」と大声で叫び出て行った。ますますやる気がなくなっている自分がいた。酔っ払いや訳のわからないMelvinsファン何かやな予感がしてきた。2バンド目のthe Sermonが演奏をはじめる。4時間あまりの運転の疲れかは分からないが彼等の演奏もいつもより冴えがない。彼等の演奏が終わって一瞬静まり返った時一人の男が大声で「You suck(お前等へタッピだ)!」と罵声を発する。自分のやる気は底辺に...

何とかやる気を取り戻そうと準備にかかるが何せステージがない。何処にキーボードを置くか迷ってしまう。案の定自分が配線を終わらせキーボードの音のプログラムを確認していると反対側からキーボードを弾く真似をしてくるガキがいた。自分のやる気は底なし沼状態。客ももう何でもありと思っていたのか,例のやさ男はDaleとDanが演奏しているその間に入ってピースサインをして写真をとっている。不機嫌かつやる気なさそうに弾いている自分の周りには誰もいなかった。悪いことは重なると言うが自分の落ち度でもあった。まず自分はただでさえタイトなミュージシャンではない上に酒を飲みすぎ演奏もだらだら。間違えも過去最高。狭さゆえちょっと後ろに下がった時DanのBossのチューナーを踏んでしまい演奏中Bassの音を閉ざしまった。セットも後半に近づくと観客の一人が電源スイッチを踏んでしまいDanのベースアンプと自分のキーボードの電源が落ちてしまった。もう笑うしかなかった。最後にサーキット・ベント・キーボードを使うときもペダルエフェクトの電源が一度切れたため,インプットジャックがオフになっていたのに気付かず,その原因を見つけるのに時間がかかり,いざ音が戻った瞬間にはDaleは「サンキュー・グッドナイト」と客別れを告げていた。

セットが終わって楽屋に戻りクビを傾げSashaに「過去最低の演奏だった。高校生の時の方がまだまともに弾いていた」と告げると,「ウォーミングアップ,ウォーミングアップ」と慰められる。「あったまるどころか冷めてしまうよ」と言い返し「演奏している時バンドを辞めようかと思ったくらい,今日は下手だった」とも告げた。同じ事をLAに帰っている車の中で話したら皆大笑いして,結果的には決して良いライブではなかったが面白い経験になったと皆気を取り直していた。明け方4時頃家に戻り明日のSan Diegoに控え,自分にとって過去最悪のショーを忘れながら床に着く。

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