Friday, September 05, 2008

Boston>> Northampton>> New Haven

8月9日、Boston, MA

Bostonに入ると多くの者が去年優勝したRed Soxのシャツや帽子をかぶっているのが目に入る。去年来た時とは大違い。会場に入り準備を始める。楽屋に飲み物が運ばれてくる。その一つにTimの好きなBudweiserがある。がいつもの瓶とは違ってそれもRed Sox優勝記念のボトルになっている。好きなチームではないが見た目がかっこいいので興奮して飲んでみると、中身はいつもの不味いビール。

いつもの様にノイズ・ジャムの先発。その後、BB,Melvinsと続く。横に長いステージな上、やたらと理屈を並べるモニター・エンジニアだった為、モニターからはあまり良い状態で聴こえてこなかったが、観客は非常にノリが良く、それに乗せられ演奏も冴え、非常に良いショーとなった。録音も成功。

片付けを済ませホテルに向かう。ホテルに着くと楽屋から持って来た飲み物を取りにCoady, Dale, TimがRikkyと自分の部屋を訪れる。自分はラップ・トップでメール等を確認しているとDaleが自分をからかい始める。勿論、自分も黙ってはいない。二人のやり取りにTimは泣きながら笑っている。涙を拭きながらTimが自分にある事をネットで調べてくれるように頼んでくる。このホテルが9・11事件のテロリストの一人か二人がその前日に泊まったホテルだと言う。調べてみると事実の様なことがいくつかのサイトに書かれている。Daleがフロント・デスクに電話を入れると、「私(電話の相手、従業員)はその日(9月10日)は休みだったので、分からない。でも泊まっていた事は事実らしい」と言う返事が帰って来た。ある意味、アメリカの歴史に触れた一瞬であった。


8月10日、Northampton, MA

Northamptonボストンから車で一時間半ほど離れたこぎれいな田舎町。会場の周りにはお洒落なレストランや店が並ぶ。こういう町の客のノリは予想がしづらい。ノイズ・セッション、BBの演奏では客は立って観ているだけ。反応も少ないので非常にやりづらい。やる気も減ってくる。

ふて腐れてステージをおり、Melvinsの公演の準備を始める。ギター・ラックはステージの端。Melvinsがステージに上がると客の反応は一転。ステージの上から客の非常を観て自分がふて腐れていた事がアホらしく思えて来た。イントロが始まりその曲が何か分かったときの彼らの嬉しいそうな顔は言葉に代え難い。BBの曲を知らないのでのれないだけである。Melvinsが好きだからと言ってBBが好きであるとは限らない。それを久々に知らされたように思えた。

だがショーが進むにつれ客の反応はエスカレートして行く。同じ男性客がステージに2度あがった。それに気づいたBuzzは演奏を止め、Buzz節を始める。一瞬ドラリ付け、その後直ぐに「俺は怒ってはいないよ。怒ったふりをしているだけだ。本当は皆が来てくれた事に感謝している」と話を続けた後、Jaredを観てJaredに同情を求めると、Jaredはそれにコメディーで応える。その後の数曲はJaredはメチャクチャな歌詞を歌え続け客を笑わせ続ける。

公演後、たった一人のファンが自分の所に声をかけに来てくれた。そのファンは自分の仕事の事を良く知っている。熱狂的なファンはどこにでもいる事に気づかされ、それと同時にBBがまだまだである事を思い知らされた夜であった。


8月11日、休み、

次の公演地、New Havenまで2時間の距離なので移動はなし。Northamptonで一日つぶす。一行は洗濯を済ませ、街に出てそれぞれ別行動。自分は楽器屋、CD屋等を周りあっという間に夕方になってしまう。ホテルにもどり夕飯を食べ、ミックス等を行い夜を過ごす。


8月12日、New Haven, CT,

会場は去年のツアーの時と同じで、ブッシュ大統領が卒業したYale大学の目の前。前公演の時は客の入りはまばらであった為、それほど期待はしていなかった。去年以上の客が集まっていた。

ジャム・セッションをいつものように行う。後半10分あまりCoadyが参加。いつも異常にドラムのパートが長引き客も大喜び。BBの演奏も冴え思ったよりはもりあがった。

Melvinsの公演で一人の男がステージ・ダイブを行った瞬間から大人しく思えた曲も大暴れし始める。21以下と以上の客がフェンスで隔てられいるのだが、その両方でマッシュ・ピットが起こる。自分はサウンド・ブースで録音を確認していた(Dodgersの試合も気になったのでネットでちょこっと...)。客の興奮が異常だったのでよく周りを観てみると一人の女性客が男性客の肩に乗っている。遠目で見てもその女性客が酔っぱらっているのが分かる。気になって見ていると、なんとTシャツを巻くっておっぱいを見せびらかしている。英語で言う”フラッシング”。Melvinsのショーで見たのは初めてだ。ちょっと感動。それに気づいた照明係の(サウンド・チェックの時の兄ちゃん、Bとは違った)男が自分を見てにやにやしている。その男は客の興奮につられたのかやたらと照明をいじり始める。Melvinsの面々はチカチカする照明を嫌っているのでそれをやめるように言うとぶつぶつ屁理屈を言っている。その男もかなり酔っている。後でBから聞いた話なのだが、その男はユニオン(労働組合)に所属しており、New Havenの多くのクラブで照明を担当しているのだが、今日は会場に遊びに来ているだけであった。Bが照明のケーブルを修理している隙にブースを乗っ取り勝手に照明をし出したと言う。ちなみにサウンド・エンジニアもかなり酔っていい気分で仕事をしている。

公演が終了するとその酔っぱらった女性客がバーの椅子に座って大声で色々言っている。暫くすると歌を歌い始める。近くで見るとあまり可愛くなかった。残念。録音機材を片付ける為に楽屋に戻るとBuzzとDaleがDodgersの試合を観ている。9回裏、同点の場面だったので自分も仕事を放って観てしまった。数分の内にサヨナラ・ヒットで勝ち、自分は仕事にもどる。やる気のなさそうなローダー(荷物運び。多くの会場が機材運びの為だけに雇う)軽い荷物を片手で運んでいる。広く、歴史のある会場だけに、その係の者たちのだらしなさに一行はがっかり。

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