Tuesday, August 14, 2007

Charlotte>>Atlanta>>Carrboro

7月18日、移動日

Toolのショーをやる為、当初の予定のBoltimore以降の公演は全てキャンセルした。だがAlabama州Birmingham公演以外全ての公演を日にちを換えて埋め合わせが出来た。明日はNorth Carolina州Charlotte。この公演だけは当初の予定にはなく突然決まった。Holmdelから656km。7時間走ったVirginia州South Hillに宿を取る。部屋にDVD付きのテレビがあり、Coadyが買っていた"Reno 911"を観て就寝。


7月19日、 Charlotte、 North Carolina

ベースキャビネットの換えのスピーカーをCharlotteで見つけ、それを購入した後ホテルを取る。BBは何度か会場のMilestoneでは公演を行っていて、会場の近くの通りを何となく覚えていた。ホテルの駐車場に着くと男が全長1メートル50センチはあろうニシキヘビをクビにぶら下げて歩いている。あやしい。ホテルのキーをフロントからもらい裏の駐車場に回ると2台のパトカーが止まっている。ホテルの階段近くで警官に見つからないよう隠れながらそれらを見ている男もいる。大丈夫であろうか。ホテルに荷物を置き会場に向かう。

会場はホテルから1kmと離れていない。辺鄙な所にある。ここ数週間、Toolが選んだ大きな会場を見慣れていたため、久々に戻る小さな会場。その中でもここはよりファンキーに感じられた。会場の横にはまた他の警察がパトカーを止め住民と話している。あとで聞いた話だが、安否は定かではないが少年がその日の午後、この近所で打たれたらしい。警察が多いわけが後になってわかった。会場に機材を積み込む。Toolのツアーではこの作業をしていなかった為皆の体はなまっていた。Jaredは「俺達はSoft(やわ)になった」とそのだらけ具合を認める。オーナーのNが挨拶に来る。BBはNと仲が良い。Nのお母さんの手作り料理がこの会場の名物でもある。それを予めリクエストしておいた。ケージャン料理。辛いイメージがあるがさほど辛くない。辛い物が苦手な自分でもなんなく食べる事ができる。スパイスの効いたBBQ。やわらかく拭かされバターのかかったトウモロコシ、インゲンの煮物。どことなく日本の家庭でも食べれそうとは思ったが、やはり違いはスバイスとジャンバラヤ。

このショーはもともとヘッドライナーが決まっていて、BBはその後に追加された。ヘッドライナーのバンドはBBとはちょっと違う感じの軽いのりのバンドであった。そのバンドを観にまあまあの数の客が集っている。BBの出番になって帰ってしまうものもいたが、1週間くらい前にきまった公演にもかかわらず、BBを観に来た者、他のバンドを観に来たついでに残る者と、なかなかの人数の前で演奏する事となった。久々の観客との一体感。大きな会場も良いが反応が分かり易い小さな会場への思いも格別だ。Toolとのショーでは最後の2曲を省いていた為、数週間ぶりに弾くその2曲。Jaredはその曲を演奏する事にかなり自信なさそうに言っていたがそれをなんなくこなす。何とかなると思っていた自分の方が間違えてしまう。だが全体的にはショーは大成功。ステージを降りると多くのファンから握手などを求められる。中には「(地方で良いバンドがめったに来ないからと言う意味をこめて)来てくれてありがとう!」と言って来た客も多かった。ビールを買ってきてくれた者もいた。ステージを降りた自分はもらったビールを飲み終え、またバーに行き次の飲み物を注文する。その時カウンターの上にドンと置かれた拳銃を見てこの地域の治安の悪さを再確認。バンに機材を残しホテルの駐車場に止めるのは危険と判断し、機材を会場に残し、明日の朝取りに来る事にした。


7月20日、Atlanta, Georgia

BBの友人であり、今日のショーのプロモーターでもあるHの家に向かう。今日は彼の家にやっかいになる。家で少し休憩をした後、会場のThe Drunken Unicornに向かう。機材を運び、サウンドチェックを済ませ、少し早い夕食を取りに会場の直ぐ隣のLocalと言うBBQレストランに入る。南に下ってきた為暑さが増してきている。その所為もあり自分はさっぱりした物を食べたかった。メニューの中で最も軽そうに思えたチキンBBQサンドイッチを注文。これが大当たり(美味いと言う意味で)。タレもしつこくなくサラダも一緒に撒かれ、ビールにも合う。

ショーが始ると多くの客が会場に集る。今日は4バンド構成で、2バンド目が演奏する頃には会場は満員。その中に今アメリカで人気のあるAtlanta出身のメタルバンド、MastdonのギターBrent Hindsも着ていた。BBとBrentは以前から交流があり、Mastdonのツアーの前座のオファーもあったとか。Coadyは自分にBrentを紹介するものの「話が長いから気を付けろ」と耳元で囁く。確かに長い。どこできれば良いのか分からない。「トシ。俺にギター弾かせてくれ。俺はBBが大好きなんだ。俺の家に残っていいから、代わりに俺にBBのツアー行かせてくれ!」とまで言う。「じゃ、今日、飛び入りしろよ!」と言うと快く承知する。と思いきや「あっ、俺、曲知らないよ!」Jaredが「じゃ、口笛でも吹いてくれ」と言うとBrentは大喜び。だがBrentは結局ステージには上がらず、しばらくBBを会場から観ていた後、楽屋で友人と話しこんでいたらしい。

ショーはまあまあの出来。Coadyは疲れが溜まってきたようで、ステックを3、4度落とすくらい、今まで観たことのないほど演奏に現れていた。Jaredはと言うと、公演前に「"...Something Cry About(最後の曲)"は思ったより簡単だったな」と大きな事を言ったものの、その曲の時にJaredのみが章節数を間違え3番の歌詞を早く歌い始めていた。自分は自分が間違えたと思い、公演が終わった後Coadyに「最後の曲、なんかおかしかったよなぁ?」と言うとJaredが間違えた事と断言してくれた。


7月21日、Carrboro、 North Carolina

埋め合わせのショーで、会場のスケジュールに無理やり合わせたこともあり、またNorth Carolinaに逆戻り。日が落ちた頃会場に到着。BBはこの会場でも以前公演を行った事もあり、近くのレストランを薄っすら覚えていると言う。その2人の意見は全く当てにならず結局歩いて探す事に。タイと日本料理のレストランを見つけそこに入る。自分の意見で1品づつ頼み皆で分けて食べることに決定。Jaredと自分の頼もうとしたものが重なり、自分は「じゃ、皆で同じ物頼んでそれを皆で分けよう」と言うと、皆、大爆笑。このところBBQなどが続いていたので、久々に食べるタイカレーやヌードルは全く新しい物のように感じられた。ちなみにそこで飲んだビールがYuengling。タイ料理屋と名前の響きから勝手にタイの飲み物だと思い込んでいた。これはPennsylvania州Pottsvilleの伝統のあるビール会社で作られている。でも軽くて好きにはなれなかった。

会場にはその半分を埋めるくらいの客が集っていた。その中にBBの旧友でBirds of Avalon(http://www.myspace.com/birdsofavalon)と言うロックバンドのPaulとCheetieが駆けつけてくれた。彼等とは前回のツアーのSxSWで会っている。今日は彼等の家に泊まらせてもらうことになっている。公演は3曲目のエンディングでCoadyとJaredのどちらかがカウントを間違えミスをしたものの、全体的には納得の行くライブであった。公演がそのミスの原因をお互いに責め合ってたのが笑えた。Paulはステージに下りた自分に「今までBBのショーで一番良かった。トシの役割は大きいよ」とまで誉めてくれた。BBを長年見つづけてきた人間にそう言われて自信が少し出てきた。

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