6月27日、Chicago, Illinois
St.Paulを発ち、予定の時間よりちょっと送れてChicagoの郊外に入る。コンピューターで場所を調べるのを忘れた為、会場に電話をして上、地図で場所を確認。会場はChicagoの南に位置すると判断。渋滞に巻き込まれ30分近くたちようやく会場のある通りに辿り着く。だがどう見ても会場があるような地域には見えない。住宅地である。もう一度会場に電話をしてみて場所を聞くと間違えなく同じ名前の通り。Jaredが「Chicagoの都心の北か南か?」と尋ねると北にあると言う。完全に行き過ぎた。また渋滞に巻き込まる。今度はもっと酷い渋滞。1時間半がたち、予定より2時間半遅れて会場に着く。クルーの皆に詫びを入れ、直ぐにサウンドチェックをなる。
BBの出番になる。昨日に比べ緊張は和らいだものの、普段上るステージとは比較にならないほどの照明の明るさ。まだ慣れきれていない。曲の途中でストロボの断続的なフラッシュ効果をやられて驚きのあまりギターの何処を弾いているのか分からなくなってしまう(下手糞の言い訳)。今日も何とか終了。またもや客の反応が良い。自分では"本当に良かったのかな"などと半信半疑でステージを降りる。公演後、遊びにきてくれたChicagoの知人、Jimとその同僚と楽屋で盛り上がる。Toolのショーが始ると皆それを観に会場に戻る。昨日同様、Coadyはドラム・バトルに参戦。曲を覚え始めたのか、昨日よりスムーズに叩いている。
ドラムを片付け楽屋で祝杯していると、Dannyの友人のEがBBの楽屋にやって来て、自分とBBを目の前にして「君達3人は小さな人々かもしれない。でもサウンドはでかくて圧倒された。曲ものりのりだし、気に入ったよ」と言ってくる。このE、バスケットボール選手で2m16cmの巨人。自分と Coadyは小柄な方だから"小さい人"と言われるのは分かる。でもJaredは188cmと大柄だ。Eが楽屋を去った後、「"小さい人"って言われたのは生まれて初めてだ」とつぶやくJared。その瞬間、皆で声をそれえ「そりゃEからしてみたら誰でも小さい人だろうな~ぁ」と大笑い。
楽屋のビールがなくなってしまったので他の楽屋をさ迷いはじめる。ちなみに今日の地ビールはOntarioの会社Trafalgar Brewing CompanyのPaddy's Irish Red。ちょっとにがいが飲みやすいので直ぐになくなってしまった。楽屋を転々としているとAdamの楽屋に辿り着く。ビールを飲まないAdamの楽屋にビールがあったので"一本もらうよ"と言うと快く譲ってくれた。Adamは育った場所が近かったので今日は友人が沢山来ると言う。Adamの高校の時の友人、Rage Against the MachineのTom Morelloのお母さんまで来ているという。「Tomのお母さんは凄く優しくて頭の良い人だ。トシにも紹介するよ」と言ったところでAdamの兄、Aが入ってくる。AはAdamに「ちょっと多くの人呼んじゃったんだけど良いかな?」「良いよ、良いよ。その為に沢山の飲み物とか用意したんだから」と言うと Aは廊下にに戻り人を楽屋に連れ込んでくる。10人、20人を予想していた自分にはその人の数に驚かされた。120人は下らない。AdamがTomのお母さんを紹介してくれる事などわすれ、自分はその人ごみから非難するため、ビールをもう一本拝借してBBの楽屋に戻る。
会場を去り真夜中で渋滞の無いChicogoの都心に向かう。今日もJimの家にやっかいとなる。
6月28日、移動日
またJimと同僚とで食事をとりChicagoを去る。ChicagoとCincinnatiはさほど遠くはないのでその日に会場のある Cincinnatiに移動して宿を取る。Cincinnatiに着くと携帯の電波が全く途切れる。ホテルちかくのメキシコ料理やで夕飯を取る。久々に飲むNegra Modelo。メキシコのビールはライトなものが多いがこれは濃くて美味い。
6月29日、Cincinnati, Ohio
サウンドチェックを済ませ楽屋に戻るとDustyが野球を観に行くと言う。会場のUS Bank ArenaはGreat American Ball Parkと言ってCincinnati Redsのホーム球場の直ぐ隣。BBが始るまで観てくるとチケットを購入したらしい。今日の対戦相手はSt. Louis。対戦チームは観た事があるがRedsは観た事がない。Dustyを羨ましがる。楽屋に戻る途中の廊下でイギリス人のプロダクション・マネージャーのCが「トシは今日サウンドチェック(ギターのみ)で"Now I'm Here(by Queen)"を弾いただろ。嬉しいな~。俺はQueenが好きでこの仕事を始めたんだ」と言い、明日からリクエストをしたいと言ってきた。
開演の時間が来てステージに上るといきなり"としぃぃぃぃぃ!"と叫ぶ観客。自分は驚き、スポットライトで若干見えるステージの近くの席を見る。 Boltimoreの公演に来て、ビールまで奢ってくれたBBの友人のSであった。一人でもBBを知っているものが観ていると急に気分が楽になって来た。人の数、照明にもなれてきて以外にスムーズに演奏が出来た。自分としては上出来!Toolファンもかなり気に入ってくれたようだ。Sの近くに座っていた Toolファンの一人はステージを降りる時、「トシ、良かったぞ!」と名前まで覚えて声をかけてくれた。
片づけを終えると自分は駆け足で野球場に向かう。途中からでも観ると決心。7回から観戦。2階席のチケットを買ったのにもかかわらず1階席の踊り場で立ち観戦。8回にSt.Louisが逆点。将来、野球殿堂入りの候補、Ken Griffey Jr.とAlbert Pujolsが観れたのは嬉しかった。日本人の田口選手も相変わらずしまりのない口をして頑張っていた。
試合終了後、慌てて会場に戻り今度はToolを観覧。しかもこの会場にはホッケーのペナルティーエリアが設けられている。そこがステージからかなり近く、VIP用に確保されている。自分は楽屋の地ビールをプラスティックのコップに入れそこでToolを体感する。今日のビールはSummit GrandとPete'sと言うビール。SummitはBBのChicago公演でも飲んだビールだが、苦味がきつくなくスムーズなダークビール。今回の旅のお気に入り。Peteは60年代から80年代に大活躍した、元Redsの名選手Pete Roseにちなんで作られたビールかと思っていたが、Texas州San Antonioのメーカーらしい。ちょっとフルーツっぽい味が強く、薄口なので自分はあまり好きにはなれなかった。今日のCoady vs. Dannyは今の所一番のバトル。Coadyも慣れた来たようでDannyも遠慮をしていない。客も大喜び。
公演後はBBとDannyの楽屋で祝杯。BBの楽屋とは違い、ビールが沢山余っている。ビールを拝借してしばらく会話をしたのちDustyの運転でホテルに戻る。ホテルの直ぐそばにWhite CastleがあったのでまたCrave Caseを購入。今回は誰が一番食べるかのコンテストも行われた。自分はJaredと同一1位で8個。バーガーの包みであった箱が床に散らばる。
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