6月30日、移動日
Cincinnatiから同じOhio州のYoungstownに移動。距離が短かった為、夕方早くに着き、Youngstown郊外に宿を取り、荷物を置き、時間があるので映画館に向かう。観たのは"Live Free or Die Hard(Die Hardの4作目)"。映画館を出て、夕食を食べに行く。ステーキハウスを見つけそこへ入るとプロダクションマネージャーのCがその店に入ってきた。「明日は(サウンドチェックの時リクエストする曲を)期待しているぞ!」と言って彼は自分等とは別にカウンターに座る。食事を済ませてCに別れを告げホテルに戻る。ホテルの駐車場には中年のバイカー達が多く見られた。部屋に戻り相部屋のDustyとESPN(スポーツチャンネル)で野球の結果を確認した後2人とも深い眠りにつく。2人は真夜中の部屋の外で起こっていることに気付いていなかった。
7月1日、Youngstown, Ohio
朝起きてシャワーを済ませるとDustyも目を覚ましていた。Coadyからコーヒーを買いに行こうと声がかかる。まだ寝ているJaredをおいて3人で近くのStarbucksへコーヒーを買いに行く。Coadyは「昨日の夜中、外、うるさかっただろう?」と言って来る。自分とDustyは熟睡していなにがなんだか分からない表情を浮かべるとCoadyがそのことについて説明し始める。午前3時あたりに警察がホテルにやって来て、バイカーの中の数人を尋ねこう言ったという。「お前達が今投げた物が何だか分かっているんだ。今からお前等の服と荷物を調べる」その後ごそごそと言う音だけになり Coadyはどうなったかは全く分からなかったと言う。コーヒーを買いホテルの駐車場にもどって来た時、Coadyが「これだ!」と叫び地面を指差す。そこにはそのバイカー達が投げ捨てたと思われるコカインが袋に入って放置されていた。クスリをやらない3人は恐る恐る近づき覗いてみる。それを確認すると部屋に戻ってJaredも呼びカメラを取ってきて皆でその袋と記念撮影。タオルを使ってそれを掴み草叢に投げ捨てる。
会場はホテルから約20分バンで走った所にあった。楽屋を見つけるとCの言っていた曲(4曲中1曲)のリクエストシートがドアの前に貼られていた。その中で自分が選んだのは"Keep Yourself Alive" 。天気が良かったのでサウンドチェックまでの時間を外潰そうと会場の駐車場に出る。するとToolのチーフセキュリティーでMaynardの大親友のTが運転するパトカーが自分の方に向かってくる。助手席に座っているMaynardは自分の方を指差し"あいつを追え"と言わんばかりのジェスチャー。パトカーはもの凄い遅いスピードで自分に襲い掛かってくる。しばらく走って逃げた(付き合い)後、縁せきに非難。するとパトカーのサイレンを鳴らしメガフォンを掴み、また自分を指差し「メキシコ人だ!誰か捕まえろ!」それに大して自分は「Oh!No!Me No Speak England!」とわけのわからないことを言い返すとMaynardとTは大笑いしてパトカーは後退していった。その後はCoadyとキャッチボールをやり時間を潰す。久々にいい汗をかいた。
今までで最も規模が小さい会場。動員数6000人。来てくれた客はBBを気に入ってくれたようだ。公演終了直後、自分がステージで機材の片づけをしていると、客席から40歳前後の男性が大声で"オイ、オイ"と自分のことを呼んでいる。それに応えると男はこう言った。「I don't know who you are, but you guys KICK ASS(お前達が誰だか知らないが、お前等はかっこいいぜ)!」サンキューと言い返すと"俺は言ってやったよ"といわんばかりに大きく数回うなずきながら男は去っていった。誰だか知らない...BBが演奏する時は何時もステージの背後の高さ10m横幅25mくらいの大きなスクリーンにでかでかと"Big Business"と書かれている。嬉しいんだか嬉しくないんだか...
いつものようにビールを持って会場に向かう。今日のビールはCincinnatiの時と同じ会社の違う種類、Summit Extra Pale Ale。Grandほど濃くは無いが味がしっかりしていて飲み応えがある。そのビールをコップに入れ、今日は空いている席を見つけ座って観る。数人の客が自分のことを知っていたようで話し掛けてくる。「BBのべーシストだろ?」またもや嬉しいのか嬉しくないのか分からない質問。それでも喜んで握手を求められるのでこっちも笑顔で答える。しばらく集中してコンサートを観ていると、自分の斜め前のいかにも軟派な兄ちゃんはまたもやちょっとケバイねえちゃんとイチャイチャしていることに気付く。キス以上のことをしようともぞもぞしている。姉ちゃんは嬉しくなさそうだが、兄ちゃんの手が姉ちゃんの...書けない。官能小説じゃないのでここから先は書きたくない。
7月2日、移動日、
明日の公演がMichigan州Detroitの郊外Clarkstonと言う事だがその間293kmとあまり離れていない。どちらかと言うと休みである。そのことを知ってか、Toolのプロダクションチームのはからいで映画、"Transformers(トランスフォーマー)”の試写会をみせてくれると言う。宿から焼く20分の映画館で待ち合わせをしてToolの面々、クルーそしてBB、約40人ほどで映画を観覧。
7月3日、Clarkston、Michigan
会場は静かな森の中にある。着いてしばらくしてDustyと2人木陰でキャッチボール。キャッチボールを終わらせ楽屋に戻ろうとすると廊下が水浸しになっている。部屋の一つのトイレの配水管が逆噴射。ホテル等が臭い時のために買っておいた線香が役に立つ。Coadyの古い知人3人が尋ねてきた。彼女等はとにかく喋る。演奏中はステージ横で大声で叫びまくっていた。まぁ励みにはなった。お陰(?)でショーは大成功。なかなかの反応。楽屋に戻った後も彼女達の話は止まらない。自分はいつものように地ビールを飲みそれらの話を聞いているふり。今日のビールはカナダのSleeman。ライトビールなので好んで飲もうとは思わないが、この季節と仕事の後と言う事で多少美味しく感じた。明日はWisconsin州Milwaukeeと言う事でまた Chicagoの渋滞を考えなければいけない。そのことを考慮してBBの公演終了のみで会場を発つ事に決めていた。よってドラムバトルは無し。Toolの面々にもその事は伝えてある。彼女達の話をようやく切り上げChicago郊外まで4時間強のドライブに出る。会場を出た瞬間Jaredが「(彼女達の話にあきあきして)あ~たまんね~」Coadyは「これでもましになったんだよ。許してやってくれ」と彼女達を煙たがっていたのは自分だけではなかったようだ。大雨雷の中、バンは無事Chicago郊外のホテルに到着。
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