Wednesday, December 20, 2006

Los Estupidos Van a Las Vegas

11月25日

友人に送ってもらいレンタカーを手配していたので,それを取りに行き,その車でリハーサルスタジオに行きギターとアンプ,Danのベースを取ってくる。久々に新しい車を運転するので快適なドライブができそうとワクワクしてくる。

11月26日

朝,6時半に起き準備をして8時過ぎにLas Vegasに向け出発。大量のCDを積んでいく。約4時間のドライブも好きなCDを聞いていくをあまり長い時間には感じられない。走ったことない高速だっ た為,休憩所やガソリンスタンドのタイミングが分からない。尿意を催し始め直ぐに見つけた休憩場が閉鎖されている。次の出口で降り,海抜約1220メート ルの砂漠で立小便。高速に戻りしばらく走ると急に景色が変わってくる。。飛行機も出入りも激しくLas Vegasの高いビルも立ち並んでいる。空港にDanを迎えに行き,二人で知らぬ町をドライブ。タクシーの数が半端でない空港のターミナルを去り,別名 "Strip"ことLas Vegasブルバードを走ると映画やTVでよく観る景色が広がる。凄い数の観光客と思われる人々が通りに溢れている。ボクシングで有名なMGMを右手に高 速に戻り宿を探しにOld Las Vegasことダウンタウンに向かう。

迷いながらもホテルを見つけると急に人の数が減っていることに気付く。大都会から郊外に来たような感覚。ホテルを抑え部屋に荷物を置き昼飯を取り に店を探しに良く。町を歩く人が派手な"Strip"とは違い,定年退職した人や地味な観光客が目立つ。ホームレスの人も多い。砂漠とは言え11月となれ ば肌寒く念のために持ってきていた皮のジャケットが役に立つ。Danと店を探して通りをさ迷っていると,ホームレスらしき人に肩を叩かれ「格好の良いジャ ケットだな!」と誉められる。Danと二人で「(ジャケットを)あげた方が良かったかな?」「駄目だよ,あげなきゃ」などと冗談を交わす。レストランを探 す物のステーキ屋かマクドナルドばかり。仕方なくステーキ屋に入りサンドイッチを頼む事にした。味はまあまあ。店員はどの客も"ハニー"と呼んでいる。何 かがカリフォルニアのレストランとは違うと感じた。店の中は禁煙席と喫煙席と分かれている。タバコが店の中でいまだに吸える。

ホテルでちょっと休んだあと,車に戻り会場に向かい機材を置きに行く。歩いても5分とかからない会場に着くとローディー達が機材を運び込んでい る。自分達も機材を預け,レンタカーを返却しに"Strip"にある有名なホテルに向かう。また凄い人の数を目のあたりにする。そのホテルからタクシーで 会場に戻るとBuzzとツアーマネージャーのTimが来ていた。挨拶を済ませDanと二人で曲を数ヶ月ぶりに合わせる。Danは時間が無く練習不足だった ためかかなり不安な様子。そこへいかにも脳ミソまでが無駄な脂肪のような,見るからに人種差別主義者でハゲてデブな会場のマネージャーらしき男が自分達の 直ぐ横に座る。あまり話したくは無かったのだが眼が合ってしまったので挨拶をして「チケットの売上はどうだ?」と聞いてみる。人の内面は外見に出ることは 間違えなくあると思った。案の定,このハゲデブは「そんな事,俺の知ったことじゃね~。チケットが売れようが売れまいが俺の給料はかわらね~」と聞いても いない自己中心的な答えが返って来る。そのクソ男を無視してそのアホの隣にいた感じの良さそうなチケット売り場の兄ちゃんが「前売りは65枚しか売れてい ないね」と答えてくれた。「でも前売りが売れていなくても当日券で200人以上入る時もあるからね」と兄ちゃんが続けた。会場は広いとは言え,そのクソ男 と前売りの数と言い,あまり良い予感はしていなかった。

しばらくするとDaleとBig Bisinessの面々が会場入りする。Melvinsのサウンドチェックが直ぐに行われ,それが終わりAltamontの番になる。今回はドラマーの Sashaがツアーに参加出来なかった為,MelvinsとBig Businessでドラムを担当しているCoadyに叩いてもらう事になっていた。2週間ほど前にAltamontへの参加を依頼して,2度ほどDale に教わっただけでAltamont全員であわせるのはこれが始めて。緊張が走る。あわせてみるとまだCoadyは曲を完全には把握していないようだ。"大 丈夫か?"不安はどんどん募っていく。開場の時間が迫る。ハゲデブエゴクソ男が「開場が近いから,もう演奏は止めろ!」と言って来るがそれを無視して1 セット通して練習する。

楽屋に戻ると直ぐに開場となった。客の入りはいまいち。500人は入ると思われる広さだがその3分の1といった所であろうか。初っ端が Altamont。ステージに上がるとあまり上品ではない客が色々言ってくる。自分の持っているファイヤーバードのコピーを見て,「フリーバード弾け!」 とか「Black Label Society(12月に同じ開場に来る)の曲やってくれ~!」とか言っている。それに対してDaleは「ハイハイ,分かったからもう少しステージの近く に来いよ」と客を煽る。曲が始まると客の反応は次第に良くなってくる。客の乗りは決して悪くはない。でも合わせるのが久しぶりであるのとCoadyは完全 にDaleのサイン通りに動いている。決してよいパフォーマンスではなかったがDaleが客に「殆んど練習なしで今日初めてAltamontの一員として ドラムを叩いてくれるのがCoadyだ」と言うと暖かい拍手が沸き起こる。最後の曲が終わるとDaleが"Monkees' Uncle"の前奏をCoadyに叩かせノイズ・ジャムとなる。そのままそれを続け終わらせるのかと思いきやDaleが自分とDanを見ていとさし指を立 て"もう一回"と言っている。簡単に考えれば"この曲をもう一回弾く"と言う事だったんだが,自分は何故か"何がもう一回なのだろう"と考え込み何が何だ か分からなくなってしまった。ドラムのパターンが変わりようやく"あああああ"と理解したは良いが,自分はこの曲をエレクトリックウクレレで弾くので慌て てケーブルを入れ替え何とか曲に追いつくが追いついた時には3番の歌詞に入っていてた。

何とか(!)演奏が終わり控え室に戻るとTimがサンタの格好をしている。TimはDaleとBilly Andersonとの3人で(Men Of) Pornと言うバンドを数年やっている。このツアーはそのPornも参加している。ただBillyは来れなかったためライブエンジニアであるKurtが ベースを担当している。Kurtは上半身スーツ姿に下半身がトランクスと言った衣装を毎回着ている。Daleはエルビスプレスリーの衣装を持参してきて, それにカツラとサングラスまで着てステージに上がっている。サンタの格好をしたTimは自分を見るなり"オイ,ボーイ!サンタと写真を撮りたいか"と言う ので,自分は子供のようにうなずきサンタの膝に座って写真を撮ってもらった。

お笑い演出たっぷりのPornの演奏が終わると15分弱のセットチェンジを終えBig Businessのセットとなる。曲間にJaredが話で笑いを飛ばす。数曲終わるとDaleがギターとして加わる。Daleとの演奏を終えるとBig Businessのみが1曲を行う。その曲が終わるとCoadyはバスドラムのみでアップテンポなリズムを刻む。ショートスウェットパンツに履き替えた DaleがJaredとおそろいのムウムウを来たBuzzとともに入ってくる。Daleが同じリズムでバスドラムを弾き始めその直後にマーチングドラムと なり曲に入る。その後はMelvinsのクラシックと最新アルバム(A) Senile Animalから8曲と盛り沢山。9月に撮影されGoogle(http://video.google.com/videoplay?docid=-5107214296988915033)に載っていたビデオの演奏とは全く別のバンドが弾いているように息が合っている。言葉が出ない...このバンドを数ヶ月前に録音したかと思うと鳥肌が立ってきた。

公演は無事終了。楽屋で飲むビールが美味い。しかも紙やプラステックのコップに飲み物を移せば外でも酒が飲めると言う。外で飲むビールはまた美味 い。でも寒い。一行はその足で眠らない街へ繰り出す。カジノとその他色々。昼間のこの街は好きそうになれないが夜は大好きになりそうだ。

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