Thursday, December 28, 2006

みらい党(Mirai-tou) Master CD

Just got a mastered CD from John Golden mastering studio who has been mastering hundreds of rock albums like Black Flag, Flipper, Primus, Sonic Youth and so on. Also a band called the Melvins with whom I'm not really familiar has been using the studio for years. The mastered CD is for a fresh, vigorous, punk band from Japan, called みらい党(Mirai-tou). Dale Crover and I produced them last May. There were several reasons why there was a long period to mix for this album. Dale had been very busy with Melvins. I had been working for some other bands in studios as well...etc... Nevertheless, finally we made it. John Golden and his son, JJ did a great job as usual. I'm so happy with the result of the sound of this album. To tell the truth, this was the lowest budget session we ever had. It recorded in two days at WestBeach Recorders in Hollywood, assisted by Ian Peterson, and mixed at the Nephew's Closet. We were not sure we could do it, but we did it, yes, we did it good.
Now it's time to shop it around to the labels for release. One of the biggest reasons why it took a long time to finsh this album was that we were waiting for responses from some labels by sending rough mixes. Before we would spend more money for mixing, we wanted to make sure some labels would like their music, and some have shown interest. We are trying to send the final product to even more record companies. Anyone knows any labels we can take a shot for, let us know. Here are songs of Mirai-tou, you can listen samples at:
Hope you will like those songs and sounds.

Wednesday, December 20, 2006

Costa Mesa: 新生Altamont(?)

12月2日
U.S.ツアー最終日。

9時起床。シャワーを浴び終わるとMTは目を覚ましている。Danはまだ寝ている。MTとコーヒーを飲みに出かける。ホテルに面している通りを歩 く事5分弱,右手には小さな港が広がる。それを港を背にしながらゆるい坂を登って行き,上りきる前にコーヒー屋がある。その向いにサンドイッチ屋があった のでそこで朝食を取る事にした。その辺りはリトルイタリーと言う町で夜になるとイタリア系のレストランやバーで賑わう。朝は人どうりは少ないもののすぐそ ばに高速があり慌ただしくも思える。朝食を済ませホテルに戻ると11時半に出るとの連絡が入る。

出発の時間になると皆がホテルの駐車場に集まっている。誰がどの車に乗るかを話し合っている。それを聞きながらBuzz,John,MTと自分と がやわらかく小さなアメリカンフットボールでキャッチボールを始める。3ヶ月の長旅,車の中にはいろいろな物が入っている。その中の一つにBB弾の空気銃 があった。Buzzがそれを見つけると自分の足元目掛けて打ちまくる。それに大して自分はもうひとつフットボールを見つけ,一つをBuzzの頭上目掛け高 々と投げ,それに気を取られている間にもう一つをBuzzの腹を目掛けての直球で投げる。外してしまった。そんな事をしている間に振り分けが決まったらし い。自分はBuzz,John,MT,RichieそしてTimと同じ車になった。そうなるとまた野球談義となる。出発する直前に座席のしたにグローブ, ボールとバットを発見。昼食のために寄ったモールの駐車場でキャッチボールが始まる。そこからガソリンスタンドに移動。給油中もキャッチボール打者付き。 3時半頃会場に着く。会場の駐車場でもまた野球が始まる。

野球をしているながら辺りを見回すと昨晩,会場に入れなかったのフィリピン人が来ている。「Toshi,今日も売切れだよ。でも今日はシャイには ならず頑張ってみるよ」と話し掛けてくる。しばらくするとBuzzがボールを会場の屋根にのせてしまい一つなくしてしまう。他に良い場所がないか探してい ると会場の人間の一人がバンド用の駐車場が裏にあると言うのでそこで試合再開。残り3つのボールがなくなるまで30分くらい続いた。そこにはキャンプカー が駐車されている。それがバックステージの代わりらしい。15人は余裕でくつろげるスペース。会場では着々と準備が進められている。当日券はないのだがそ れを目当てで来ている人たちも会場の周りに少なくない。

開場は8時。それまでぎっしりサウンドチェックが行われた。今日はいつもより遅めの開演で10時から。8時を回り開場され,人が集まってくる。来 てくれた友人達に挨拶をしに会場に出向く。すると例のフィリピン人がやってくる。「Toshiのいった通りに色々な人に聞きまくったよ!そしたら間違えて 多くチケットを取っていた人がいたよ。それと...」そう言いながら,彼の後ろからもう一人のアジア人を引っ張ってくる。「彼は日本からこのために来たら しいよ。Toshiのことも知っているって言っていた」とガタイの良い日本人を紹介してくる。なんとmixiで連絡を取り合っていたY君であった。彼は自 分がLas Vegasにいた時にメールをくれ,LA行きの飛行機のチケットは買ったとは知らされていた。「完売だって知らなくて...でもどうしても観たいから。彼 (フィリピン人)と頑張ってチケットを取りました」とかなり興奮している様子。わざわざ日本から来てくれるは...感激。

バックステージ(キャンピングカー)に戻るとMelvinsの家族や自分もよく知っている友達が来ていた。その中の一人が今回のツアーについて聞 いてきた。色々話した中でLas VegasでのDaleの"もう一回"のサインについて話した。自分はそのことで思い出したことがあり,それを皆に話し始めた。自分の友人の友人で名前は 覚えていないがとあるベーシストがいる。そのべーシストは以前Miles Davisとライブをした経験が何度かあったらしい。ある日のライブでそのべーシストはMilesの反対側のステージ端の方でベースを弾いていた。ある曲 のトランペットソロが終わるとMilesが演奏中のそのべーシストを見て,下に人差し指を向け腕を上下に振って何かを言っている。ベーシストは"なんだろ う?ああ,ベースの音が大きいのだな!"と解釈しベースのヴォリュームのつまみを下げ演奏に集中する。次の曲のトランペットソロが終わるとMilesはま た同じ事をやっている。べーシストは"ええ,まだうるさいのか!"とさらにベースの音量を下げる。そしてまた次の曲もMilesは同じ動きをしている。 べーシストはその"下に下に"のサインに混乱して来てしまった。音量は聴こえないくらいに小さい。Milesが何を言いたいのか全く分からず,終いにはそ のべーシストは腰を低くしてしゃがむように演奏し始めた。楽屋に戻りそのべーシストはMilesに「"下に下に"のサインは何だったんだよ?俺のベースそ んなにうるさかったか?」と聞くと,「おお,見てくれよ,新しい靴。いいだろ~」と白く輝いた新しい靴を自慢したいだけだったらしい。その話をすると Daleが大喜び。

そんな事をしているうちに今回のツアーの最後の演奏の時がやってきた。いつもより気合が入る。MTはいつもより念入りに懐中電灯のスイッチを確認 している。晩い公演ともあり会場は人で埋め尽くされている。客はSDと同様暖かい。歓声が徐々に増えてくる。昨日のSDで気を良くしたのかCoadyは 乗っている。演奏はまとまっている。自分もいつも以上に演奏が冴え渡る。最後の曲の前になるとDaleが自分の方を向きMilesのマネをして"下へ下へ "のサインをしている。勿論,笑っているのは自分とDaleだけ。客の反応が今までで一番良かったのと,今晩がツアーの最後とあり"Monkees' Uncle"を2回繰り返し公演は無事終了。暖かい拍手で送られバックステージに戻る。

しばらく休んだ後,会場に出てみる。多くの人が自分に声をかけてくれる。その中の一人が「Toshiに紹介したい人がいる!」とあたかも自分の知 り合いのように話してくる。その男と来ていた友人を紹介される。「よかったよ,LA公演でのウクレレソロ!」とその二人は2日前も観に来てくれたらしい。 自分は「俺は君に会ったことがあるのかい?」と聞くと,そこで初めてその男は自己紹介をしてくる。何度も見ているので近い存在に思えたのであろう。他にも 数人LA公演のことを誉めてくれる人がいた。LAから1時間くらいの距離とあってか,この2日分のチケットを買ってくれる人が多かったのには驚かされた。

Porn, BB, Melvinsと続き公演は無事終了。Melvinsが終わった時にはカルフォルニアの法律で店を閉めなくては行けない時間の2時のちょっと前であった。 Y君,フィリピン人,その他来てくれた人に別れを告げ,人の少なくなった開場に残りCoadyとDanと自分とが話を始める。Coadyは「またやろう よ!それと録音とかも声かけてくれよ。Daleとも話したけど,いつでも言ってくれれば俺はやるよ!」と"また"新しいAltamontのメンバーが決 まった瞬間(?)であった。ちなみに初代ドラマーのJoeyも,今回ツアーに参加出来なかったSashaもクビになったわけでもやめたわけでもない。とな るとDaleを含めてドラマーが4人になった。次回のアルバムが楽しみになってきった。

クルー,一人一人に別れの挨拶をして会場を発ったのが午前2時半過ぎ。そこからCoadyの運転でDaleの家まで約1時間。そこからMTと自分 の所まで約20分。その途中いつものバーガー屋によるのだが今晩は新米がレジを担当している。お金の計算が出来ないのか,かなりパニックしている様子。5 分以上待たされ,ようやくテイクアウト用の袋を受け取る。後ろには車の列。家に帰ると中身が全然違う事に気付いた。MTも自分も疲れていたので中身を確認 しなかった。午前4時近くで,-もうどうでも良くなりとりあえず中身を食べた。食べ終えたあと直ぐに歯を磨き,寝床についたのは4時半であった。

Photo By: MT

SD: MTつかまり,Coady全快!

12月1日

4日ぶりに自分のアパートで寝たものの12時には発たなければならなく,あまりゆっくりも出来なかった。準備をして泊まっていた写真家のK氏に別 れを告げ,MTとともにDaleの家に向かう。車をDale家近くの路上に止めそこからはバンで皆とともに行く。運転手はCoady。途中で高速を降り以 前寄ったメキシコ料理のファーストフード店,Pedro's Tacosで昼食を取るhttp://toshimanaki.blogspot.com/2006/01/long-beachvs-sermon.html#links 参 照)。相変わらずレジのねえちゃんは愛想が悪い。でも味は良い。以前と比べるとタレの量がちょっと減っていたようでさっぱりしすぎていた。次回に期待。そ こから高速に戻りちょっとしてMTがトイレに行きたいのと言うので高速を降りトイレを探す。高速は渋滞していると思われトイレを見つけた後もしばらく海沿 いの道を走ってSDのダウンタウンに向かう。

海沿いを走り30分弱で会場に到着。ここは以前AltamontもBlack Heart Processionの前座でプレーした事のあるバー,Casbah。すでに残りのクルー,メンバーは会場入りしていた。しばらく会場で色々な人と話をしているとTimが現金を渡してくれた。これは夕飯代として経費か らまかなわれるもの。「サンキュー!」と言うとその隣にいたMTにもTimは現金を渡した。慌てて自分は「オイ,Tim,良いのかよ,そいつ(MT)にも 渡して?」Timは笑いながら「昨日,こいつは立派なバンドメンバーだったよ」と言った。MTは渡された金が何が何だか分からない様子。それを説明すると 大喜び。DaleとDanに誘われ,MTと近くのバーに行ったがMTが持っていた身分照明書がそのバーでは認められないと言われ2人で会場に戻ることに。 正直,もう少し待てば会場から酒は出てくるのでどうでも良かった。先にホテルをチェックインして荷物を置いて食事を取りホテルでサウンドチェックまで待つ 事にした。

サウンドチェックの時間が近づき会場に戻る。ホテルから徒歩3分くらいの会場に着くとJaredがいたので「今日はHot Sauceは"来る"のか?」と聞くと「この会場はHot Sauceには狭すぎる。大きい会場でないと"彼"は納得しない」との事。明日のCosta Mesaの会場もそれほど大きくない。と言う事はSoy Sauceとの公演はLAが最初で最後になってしまった。Melvinsがサウンドチェックをしている間,他のバンドらしいき人間達が入ってきた。そこで 初めて今日はもう一つのバンドがAltamontの前にあると知らされた。その中の一人が自分に話し掛けてきた。偶然だがCoadyと知り合いだったらし い。しかもバンドではなくコメディー劇団であった。同じ日にちでその会場でのライブを望んでいたので「Melvinsがくれば人も集まるから前座やらせて もらえば?」とエージェントに言われたらしい。

Altamontがサウンドチェックを行う。Coadyはまだ不安のようだ。SFであわせた"Pirate Love"はDaleのボーカルでLA公演も行い今後も演奏する事になった。Coadyはその曲の構成をまだ完全に把握していないようだ。 Altamontのサウンドチェックが終わると同時にTimがメンバーに向かって「今日はHot Sauceはやらないんだよな。会場が小さいか...待てよ!Hot SauceがいなくてもSoy Sauceがありえるなぁ?」と言い,自分の方をチラッと見る。「Hot Sauceがこの会場が小さいって言っているなら,Soy Sauceにとっては話にならないだろう!」と自分が言い返す。笑いながら立ち去るTim。

開演まで時間があるのでホテルで休もうと会場を後にした。会場を出ると「Toshi!」と叫ぶ声が聞こえた。振り向くと,よく色々な場所での公演 で見かけるMelvins / Altamontのファンの一人がいた。「完売である事知らなくて...チケット取れなかったんだよ」と言う。このファンは以前も同じ場所で同じ事を言っ ていた。「でも俺はなんとかするけど,そこにいる彼が大丈夫なぁ,と思うよ」と自分の後ろにいたアジア系の人間を指さす。そのアジア人は「Toshiだ ろ。君のことは知っているよ。MelvinsのCDにも携わっているんだろ。僕はこのためにフィリピンから来たんだ。MelvinsとAltamontは 自分の人生を変えたバンドだ。今晩はどうしても観たい。でもチケットが手に入らないんだ。なんとかならないか?」と一方的に話してくる。その後も自分の やってきた仕事のことなどの話してきた。自分の存在を知られていないのもちょっと寂しいが,そこまで知られている事でちょっと怖くなってきた。「絶対に余 分にチケット持っている人が現れるから,聞きまくりな」と言うと,「でも俺はアジア人だし...」と訳の分からない言い訳をしてくる。「アジア人とかそん な事は関係ない。チケットを欲しかったら皆に聞くしかない。もし駄目だったら明日のCosta Mesaにくればいい。ここから1時間くらいだ」と言ってそのフィリピン人に別れを告げホテルに行く。

開場時間になり会場に戻ると人は半分を埋め尽くす位の客が集まっている。この開場には楽屋がないため,バンドへの差し入れはバーの飲み物との引き 換え券である。それをTimから渡されたものの,昨晩のLAでの失態(酒とは関係がない)があったので演奏前は飲まない事にした。それをMTに渡すと彼は 大喜びでビールを次から次へと飲み始める。一つ目のコメディーが始まり人がステージ前に集まり始める。笑えるところは20分くらい中1つか2つであったが 帰っている客はいないようだ。Altamontの番になる。開場も殆んど埋め尽くされている。曲が始まるとステージの目の前に一人の兄ちゃんが所狭しと踊 り始めた。かなり激しく踊り叫んでいる。MTはステージほぼ中央でDaleとDanの間でいつものようにダンスと照明係をしている。写真を撮ろうとしたの か,MTはステージ下に降りた。その激しく踊る兄ちゃんがMTを両腕の上から抱きかかえMTを宙に浮かせ左右に降っている。何が何だか分からなくなった様 子のMTの顔が目に飛び込んでくる。"いかん!演奏に集中しなければ"と他を見始め気を取り直す。Coadyの方を向いてみると彼はDaleの方を向いて いない。(”Pirate..."以外の)曲を覚えたようだ。完全に入っている。バンドのノリも当然変わって来る。今ツアー最高の出来。自分も間違いは殆 んどなかった。

演奏が終わると汗だくなCoadyは涼しい笑顔で「やっと曲を覚えた。楽しくなってきた。もっと君達と一緒に(このツアーで)やりたかったよ」と 言ってくる。MTは「なんか変な兄ちゃんにつかまって振り回されちゃったよ」とまだそのことで驚きを隠せない様子。全員が片づけをしながら一番良いショー だったとつぶやいた。その後はいつもどうりPorn,BB,Melvinsと繋がる。

全ての公演が無事に終了して何人かの客が残っていた。数人の客が自分に寄ってきて誉めてくれる。その中に「Toshiだろ。演奏,良かったよ。面 白かったよ。ここにいるのは俺の友人のJだ!」と一緒い来ていた者を紹介してきた。その友人は自分の名前をもう一度聞き直した途端「"とし"って"カモ ン,トシ~。カモン,トシ~!"と同じだ!」と大喜び。例のヴァミリオン・プレジャーナイト(?)(http://www.youtube.com/watch?v=4apVNRoRzfc参照)のお色気英会話をYoutubeで観たらしく,始めて"Toshi"と言う名前の人物に出会ったようでやたらと興奮している。「俺もAltamont聴いてみるよ!」と訳の分からない衝動を機にAltamontに興味を示したらしい。

彼等と話しているとDanが自分とMTに声をかけてくる。Danがしつこそうな女性ファンをまるで自分達に引き渡すかのように,「Toshi, MT,君達に紹介したい人がいるよ」と言って来るので,仕方なく彼の方に行く。その女性ファンの話が始まるとDanは「ちょっと俺ステージに忘れ物したか ら,取りに良くわ」と自分らを置き去る。その女性ファンはMTをかなり気に入っていたようだ「彼(MT)はおお暴れね!でもあなた(自分)はシャイね!端 の方でこそこそ弾いて」ステージが小さいため体を動かすのがやっとだと言う事は彼女には分からないだろう。説明するのも面倒だったので,「ああ,俺はシャ イなんだよね。こいつ(MT)はAltamontの顔だから...」などと言ってその会話を終わらせた。

店が閉められホテルに戻る。MTとDanとが相部屋。MTは公演後12人に誉められたと大興奮。自分は一桁の客にしか声をかけられなかっただけにちょっとむかついたが,今回のツアー初めて納得の行くライブとなり,美味い酒を飲み良い気分になった所で床につく。

辛いタレと醤油

11月30日

9時半頃めを覚ましトイレとシャワーを済ませる。それから20分くらいで出発となる。自分はBuzz, Kurt, Richie,そしてTimと移動。LAまでは渋滞がなければ4時間くらいでつくと思われる。SFからLAの間には大きな町はなく畑等の平地が続く。はじ めの内はIPodを車の中で流していたが電話などで中断され,いつの間にか何も流さず会話のみの移動となっていた。自分はおもむろにウクレレを出す。それ を見たBuzzからまた曲のリクエスト。しばらくするとBuzzが弾きたくなり自分からウクレレを奪い弾き始める。しばらくするとBuzzは飽きて自分に ウクレレを返してきた。そしてまたウクレレを取り何気なく"We Will Rock You"のソロを弾いてみる。"出来る!"これは行けそうとBuzzに聴かせてみる。「おお,じゃ今日はHot Sauceのサポートだな!」と嬉しそうに言う。

しばらくたつと皆が「ここだ、ここだ!」と高速の出口を見つけ一般道に降りる。今度は「あった,あった!」見つけたのはカルフォルニア,アリゾナ,ネバダ州にしか存在しないハンバーガーチェーン店,In ’n Out Buger http://www.in-n-out.com/。 彼等はツアーを何度も行っているので何所の高速のどの出口に何があるか把握している。11月の終わりだと言うのに半袖で良いくらいの陽気。ハンバーガーを 頼み外のテーブルで昼食を取る。運転中もそんな時もちょっと気になっていた事があった。今日の公演は完売でゲストリストが限られていると知らされていた。 日本から取材の為に来ている人にもリストの事を頼まれていて,それが上手く行くか不安であった。

高速に戻りそこから2時間半くらい経つと高速は2車線から5車線と変わり車の数も一気に増え始めた。LAに戻って来た。高速を降りてから Hollywoodのど真ん中を抜けるのに30分くらいかかりようやく会場につく。会場は老舗Troubadour。 1957年のオープンから,Steve Martin, Richard PryorをはじめとするコメディアンやJames Taylor, Joni Micheal, Neil Diamond, Elton John, Billy Joel等のシンガーソングライターからMetallicaやGuns N' Roses等のハードロックバンドまでもが立ったステージではある。

会場に着いてもゲストリストの事が気になっていた。日本のロック雑誌,Grindhouseの取材を行うため2人分のチケット,わざわざOhio 州から来る友人の写真家,K氏の分のものと抑えられる保証はなかった。それに加え,日本から旧友のMTが日本からこのステージに上がりたいがためにやって くる。そいつとの待ち合わせもあったので色々と気が気でならなかった。しばらくしてMTは何とか会場に自力で到着。K氏の分のチケットはあらかじめツアー マネージャーのTimと連絡を取るように伝えておいたのでTimからOKが出て,その数十分後,K氏も無事会場入り。Grindhouseの記者とカメラ マンの分もゲストリスト最後の二枠に収まり何とかその場をしのぐ。一気に気が楽になった。

そうこうしているうちにメンバーが入って来てサウンドチェックとなる。サウンドチェックが終わり開演が近づくと,皆楽屋に集まってくる。 Jaredを捕まえ自分がウクレレソロを弾く決心をした事を伝えると大喜び。するとJaredは笑いながら,「Toshiは名前(芸名)を考えた方がいい んじゃないか?」と言うので,とっさに出てきたのが「お前がHot Sauce(辛いタレ)なら,俺はSoy Sauce(醤油)でどうだ?」Jaredは大笑い。それを聞いていたDaleも大笑いしながら「オイ、Buzz,聞いたか?Toshiがウクレレソロを やるって?しかも名前はなんだと思う?」自分の方を見て"言えよ!"と合図を送ってくる。楽屋中,大爆笑。その後,Jaredと漫才のネタの構想に入る。 その後,開演されるぎりぎりまでウクレレのソロパートを練習。Buzzはそれを見るたびにクビをかしげながら笑いつづける。

準備をするために開場された会場へ行ってみると知り合いが何人か来ていた。取材陣も無事会場入りして挨拶をする。開場されて30分あまりで Altamontとなる。Hot Sauce(& Soy Sauce)はその後らしい。演奏の方はと言うとSoy Sauceの方が気になって集中できず酷いものであった。後で聞いた話だがCoadyの方もゲストリストや友人への挨拶などが気になって100%演奏に集 中できなかったようだ。いつもはあまり間違える事のない曲"El Stupido"を弾いていると,ステージの直ぐ横の階段から自分のことを呼ぶ声がした。DaleとDanの大親友でMT番組で映画にもなった Jackassの生みの親(Big Brotherと言う雑誌とビデオがJackassの前身)の一人,Dave(http://toshimanaki.blogspot.com/2006/05/future.html#links参 照)が大声で自分の名前を呼んでいる。爆音が鳴り響くためはっきりは聞こえなかったが,口の動きから「よーToshi,元気か?楽しんでいるな~」のよう に思えた。その口の動きを読むのに気を取られ何所を弾いているか分からなくなってしまった。少しの間自分の演奏が止まってしまった。"誰も気付かないだろ う"とは思っていた,後でDaveと話した時,"やべ~,俺の所為だ!"と自分の失態に気付きその場から逃げたらしい。写真家のK氏もそのことに気付いた らしい。ってことは他の客も気付いていたと思う。

その失態等をカバーしたのがMTだったのかもしれない。MTは数回Altamontのショーに来ては"Stage Crew"と書かれたつなぎに星条旗のヘルメットをかぶり,その上にゴムバンドで固定できる強力に明るいヘッドライトを2個つけ,それを開場とバンドを目 掛けストロボライトのように点滅させる。しかも今回はダンスをマスターしてきたと言う。Daleが1曲目からMTに"ダンスをしろ"とゴーサイン。MTは ステージ中央よりやや右側で高田純次氏ばりに足を小刻みにばたばたさせたランニングダンス(?)を披露する。客も喜んでいる。ダンスをするは,照明係をす るは,写真を撮るはでバンド以上に汗をかいていた。終わった後に話した事なのだがDaleとDanはMTをメンバーとして考えているらしい。「なら,クレ ジットともちゃんと考えなきゃナ。ダンスと照明‐MTでどうだ?」と自分が言うと,「何言っているんだ。奴はCDの表紙になるんだよ」とDale。自分は 次回のレコーディングの時にも,スタジオで演奏にあわせMTにはダンスと照明をやってもらいたいと思っている。

酷い演奏で終わってしまったが,後悔などしている時間はなかった。その10分後にHot Sauce & Soy Sauceが控えていた。楽屋に戻るとJaredはHot Sauceの衣装に着替えている。"自分も何かしなくては"と思ったものの衣装は用意していない。とりあえずカツラをかぶりサングラスをかけ何とか衣装代 わりを見つけた。ネタはSF公演と同じ内容だが,それにSoy Sauceが加わる。自分は全く言葉の通じない謎のアジア人と言う設定で,何故Hot Sauceの隣に立っているか分からないが,突然ウクレレを弾きだすといった演出。まずはHot Sauce自身を紹介したあと「そして今日は相棒を連れてきている。Soy Sauceだ!あらかじめ言っておくが,この名前は彼自身がつけた名前だ!差別しているわけではない」と付け加える。と言うのは,この公演の10日ほど前 にこの開場から5kmと離れていない所にあるLaugh Factryと言うこれまた老舗のコメディーシアターで,人気TV番組,"Seinfeld"で有名な俳優,Michael Richardsが差別的な暴言をして問題になった。その事もありJaredは自身をかばっていた。何を言われても無視しつづけるSoy Sauce。観客のなかから「馬鹿か?そいつは」などという声も上がる。Jaredは「おいおい,そう言う事は言うなよ!言葉が通じないから馬鹿って事は ないだろう」などと言いその場をしのぐ。次々に出てくるジョークに笑いを堪えるのが必死であった。

そして"We Will..."が始まった。客の反応はSFに比べるとかなり悪い。後で聞いた話だが楽屋では非常に受けが良かったらしい。曲に入っても自分はしばらくウ クレレを持って立ったまま何もしない。3番の歌詞に入りそのあとコーラスが繰り返される。Jaredの合図とともに自分のウクレレソロに入る。ディストー ションのかかったウクレレが大音量で会場に響き渡る。大成功。今日の自分のAltamontでの演奏よりはるかに良かった。楽屋に帰りJaredと硬い握 手を交わす。「あまり受けていなかったんじゃないか?」と聞くと「いや,俺は面白いとおもったよ,十分だろう!」Buzzが横から出てきて「よかったな ~」と言ってくる。コント,演奏をしている時の客の反応は悪かったものの,後で開場に戻った時に色々な人から「さっきのウクレレソロよかった」と声をかけ られる。本当にLAは分からない。

その後はいつも通り,Porn, Big Business, そしてMelvinsと流れる。Melvinsでの客の反応はフル回転。マッシュピットは起こるし,ケンカまで始まってしまった。そのケンカは周りの客に 抑えられ直ぐに落ち着く。ステージ最前列中央の客がステージに上り他の客に向かってダイブを慣行。ダイブした後もまた最前列に戻り祈っているかのように上 半身をステージに叩きつける。かなり酔いしれている様子が伺える。周りのことなどお構いなしと言った感じに見えた。またダイブを2度,3度と試みる。3度 目は大男Jaredがすぐさま中央に来て,その男を突き落とす。それを機にその男はいじけてしまったのかステージに上がって来るどころか会場からも姿を消 してしまった。

公演は大成功であった。お客の満足な様子が伺える。客が半分くらい帰り始めた頃,自分はGHの取材陣をはじめ,他の友人たちに挨拶をする。その 時,Buzzの奥方でグラフィックデザイナーのMachieが自分の方を見て笑っていた。何故笑っているのかと聞いてみると「アメリカ人と話している時の Toshiと日本人と話している時のToshiの態度があまりにも違うから...」と言う。そう言われると確かに...アメリカ人に対しては 「Thanks, man!」と言った感じに気軽に挨拶をするが,日本人に「今日はお越し頂き,ありがとうございました」と両手で握手をすると同時に頭を下げながら挨拶をし ている。

今日は久々に自分の部屋で寝ることが出来る。自分の家に泊まるK氏の運転するレンタカーで帰宅。途中でハンバーガー屋(Jack in the Box, 大手チェーン。In ’n Out Bugerには何所もかなわない)により今日2回目のバーガー。自分のリビングでビールを飲みながら友人達と食べる夜中のハンバーガーは格別。演奏は酷 かったがコントが納得行ったのでとても良い公演に思えた一日であった。

Photo(上): http://www.kaztsurudome.com
     (下): http://melvins.sunishun.com/troub_113006/

We Will Rock & Roll! by Hot Sauce

11月29日

旅の疲れか,Danに起こされた時には11時を回っていた。1時にMission DistrictにあるレストランBoogalooで待ち合わせと知らされ慌てて準備をする。1時過ぎにDaleとKurtそしてBig Bisinessの二人と合流して食事を済ませる。レストランを出るとそこの直ぐそばにあるレコード屋に行く者と質屋に行く者と2手に分かれる。自分は質 屋でギター探し。良い物は見付からずバンに戻りHaight District / Ashburyにあるレコード店Amoeba Musicに向かう。そこで自分はThe Moveのボックスセットを購入。「クリスマスプレゼントだ!」とDaleがThe Birdsのベスト盤をくれた。そこでインタビューのあるDale一行と分かれDanとDanの家まで荷物を取りに行く。BARTと言う電車を利用するの だがその一番近い駅まで30分ばかり歩かなければならなかった。歩くことは嫌いではないしSFの町並みも好きなので楽しんで歩いたものの,これが筋肉痛の 原因になるとはそのとき思いもしなかった。

Danの家に着き荷物をまとめタクシーを待つ。手違いで30分くらい待たされようやく発つ。会場にぎりぎりに着き,着いた途端にリハーサルと移 る。Altamont初代ドラマーのJoeyも今日は1曲ボーカルで参加する。久々の再会。その曲は自分も今まで合わせたことのない曲。Johnny Thunders & the Heartbreakersの"Pirate Love"。正直コード進行何度は典型的なブギーロックで簡単だが途中でテンポが早くなる。その変わるタイミングがCoadyは覚えていないようだ。新た な不安。

楽屋に行くと「よーToshi!」と聴き慣れた声がした。Jelloが来ている。相変わらずしましまの長袖を着ている。喋りも相変わらず。まだ食 事をしていなたので早めに話を切り上げ会場のキッチンへ夕飯を取りに行く。食事を終わらせると皆は他の部屋でインターネットを観ながら盛り上がっている。 自分はウクレレをつまんでボーッとしていた。そこへBuzzとDaleがやってきた。何か弾けと言わんばかりでDaleが自分の方を見たので,Tiny Timの"Tip-Toe Thru' The Tulips With Me"を歌いながら弾く,とDaleは「それステージでやるか?」と聞いてくる。「歌詞が分からないからな~」と,実際は知っていたが観客に受けなかった ら嫌だったので嘘をついてその場を誤魔化した。

その後,Buzzが「何か他の弾け」と言ってきたのでQueenの"Good Company"を弾くと次から次へと曲のリクエストをしてくる。「"Bring Back That Leroy Brown"..."We Will Rock You"を弾け」と言ってくる。We Will Rock You...ウクレレどころか後半までギター以外足踏みとボーカルしか入っていない。「ウクレレは関係ないじゃん」と言うとBuzzは大笑い。しばらくそ んな事をしてふざけているとJaredが入ってくる。Jaredもウクレレを持参している。これは大きな会場の公演の時に余興を行う為に持ってきている。 その余興とはHot Sauceと名乗るコメディアンでバンド(特にPorn)を紹介する時にちょっとした歌と笑い話をして来たらしい。そこでウクレレを手にしたJaredに Buzzは「Jared,ToshiはWe Will Rock Youをウクレレじゃ弾けないって言うんだ。お前は弾けるか?」と聞く。Jaredはウクレレを持ちCコードだけを弾き始め,口でその曲のリズムを取り始 める。始めはウクレレで奏でるコードとは全く異なった,原曲に基づいて歌い方で歌っていた。それがだんだんとコードにあわせていくため全く違う曲感じ,カ ントリー調になり始めた。それが気に入ったのか曲を止めはじめから全くカントリー調で弾き始める。「これだ!」と叫び「今日はこれで行くぞ!」と Jaredは続けた。「他にこう言った感じで出切る曲ないかな~?」と聞くので「Joan Jettの"II Love Rock & Roll”が同じリズムで出切るよ」と言うと,今度は「それだ!それは良い」と笑顔で答えた。「客にリズムを手拍子させると良いんじゃないか?」と自分は Jaredの漫談を見たことがないのだが,話に加わり盛り上がっていた。

そうこうしているうちに会場され客がかなり入ってきた。会場され30分あまりでAltamontの出番となる。呼吸を整え準備をしてステージに向 かうおうとするとTimから"待った"の声が...Hot Sauce(Jaredの漫談)が先発らしい。勿論,ネタは"We Will Rock You"。「自分が昔,Queenと言う名で書いた曲を歌う」などのギャグを飛ばしながら客を和ませ,客にリズムを取らせようとする。あまりやる気のない 客に対して「一晩中乗ってくれるのを待っていても良いんだぜ」と言う。客は笑いながらのり始める。歌に入るとかなりの笑いを取り始める。自分はステージ横 でギターをチューニングしながらその歌で大笑い。観客は皆笑顔。掴んでいるようだ。4,5分の漫談が終わるとHot SauceがAltamontを紹介してステージを降りる。

Coadyが参加しての2回目のショー。緊張はあるにはあるがLas Vegasのショーで何とかなったので,不安はそれほどなかった。今回のツアーは1セットの時間が限られているのと,4バンド合同の旅とあって荷物を減ら すこともありキーボードはない。普段1曲目の"Monkees' Uncle"ではキーボードでノイズを作り,曲に入るとエレクトリック・ウクレレを弾く。でも今回ははじめからウクレレのみ。ウクレレでノイズを作る。ウ クレレを弾きながらWahとWhammyを両足で同時に操りノイズを作ると客が指をさして喜んでくれる。"Monkees'..."が終わるとDaleは 自分の方を観ながら,"今日はウクレレに尽きるな"と笑いながら言っている。ステージの関係上自分のギターアンプがステージ中央に向けられている。非常に 聴きやすく"El Stupido"でのスライドギターが今までで一番うまく行った。4曲目が終わるとDaleがJoeyを紹介して"Pirate Love"となる。思った以上に上手く行った。全体的にはまあまあ。自分個人のパフォーマンスは上手く行ったと思う。

公演が終わりペダルボードを片付けているとステージ近くにいた客の一人が「Toshi良かったぞ!」と名指しで言ってくる。それに「来てくれてあ りがとう」と答え握手をすると回りの人たちも握手を求めてくる。ちょっとしたロックスター気分。ステージを降り楽屋に戻るとJelloが「Toshiは今 日は良かったんじゃないか?」と言ってくる。気を良くして楽屋を去り,SF近辺に住む数少ない友人の一人を探しに会場に戻る。友人とそのまた友人2人をス テージ横に呼びPornの観覧する。しばらくするとその友人はタバコを吸いたいというのでそれに付き合い会場の外に出た。会場に面した通りには喫煙をして いる客で賑わっている。自分はその友人と話をしていると,突然,目の前に小麦色の右乳が飛び出してきた!酔っ払ったホームレスらしき中年の女性が酔った勢 いで若い男性客を捕まえもてなそうとしている。誰も頼んでいる様子もないがシャツを自ら捲り上げ上半身の裸体を見せ付けている。つかまった兄ちゃん達は苦 笑い。何人かそれを写真に収めている者もいる。世辞にも"裸体が観たい女性"とは思えなかった。魔女みたいな顔をしていたし,やたらと体がデカイ。自分と 友人は顔をそらし目を合わせないようにしていた。友人がタバコを吸い終わり大笑いしながら会場に戻る。

話は前後するがPornの前にまたHot Sauceが現れ,客に同じリズムを刻ませる。"さっきの曲みたいに手拍子よろしく! ドン,ドン,パン!...,ドン,ドン,パン!"今度は"I Love Rock & Roll"。客の反応は良い。それが終わりPornへと繋ぐ。こっちもまたコメディータッチ。それが終わり休憩が入り,Big Business-Melvinsになる。マッシュピットも見られ大成功に終わった。友人と別れを告げ楽屋に戻ると多くの人が来ている。Buzz, DaleともにSFには長い間住んでいた。Dan,KurtそしてTimがSFに住んでいるため多くの彼等の友人が楽屋に訪問している。自分も何にか紹介 してもらい喋っているとJaredが「Toshi,次の公演で"We Will..."でウクレレでソロ弾いてくれないか?」と冗談交じりで言ってくる。どうせ本気ではないだろうと笑いながら「分かった」と言うと, Jaredも笑いながら「Cool!」と言う。

しばらくして会場に行くと殆んどの客は去り,バンドクルーと会場の人間が片づけをしている。ギターテクのGarethがJelloと話している。 Timが「皆,そろそろ行くぞ!」と大声で言うとJelloは「待ってくれ!今大事な話をしているんだ!」といつも調子。彼はいつも終わってからが長い。 以前彼と仕事をした時,仕事が終わった後2時間,午前4時まで話をしてもらった(された)ことがあった。明日がLA公演と言う事もあり,来るまで約6時間 かかるSFからだとかなりきつくなるので一行は1時間離れた町まで行きそこで宿を取る事にしていた。Johnが運転してDanとTimそしてTimの友人 でSDのポスターを書いたイラストレーターのRichieが同行してその宿へ向かう。宿についた時には午前4時を回っていた。

Photos: http://www.pbase.com/tastelikedirt/melvinsfriends

移動日,キャンセル,また移動日_砂漠,山,雪

11月27日

移動日。Altamontがこのツアーに参加して一晩があけた。Danと同部屋の自分はDanを起こし,昨日,昼飯を食べたレストランに出向き朝 食を取る。朝食を済ませるとDaleから電話が入る。「何だよ,朝食誘ってくれよ」と起きてゃしないのに文句を言われる。小型のバン2台での移動となる。 Las VegasからRinoまで約550km。8時間ほどの運転が予想される。12時過ぎにホテルを出る。自分の乗るバンの運転はBuzz。Buzzの高校の 時の友人で今回のツアーのグッツの販売を担当しているJohnとTimが同席しての長旅。JohnはBuzzを野球好きにしたBuzzの友人,Danny の弟。そうなると車の中は当然の如く野球談義で盛り上がる。

高速95番をひたすら走る。右も左も砂漠と山。この景色が3時間以上続く。Las Vegasを離れて約150km走り,95をそれ10分くらい西に走るとRhyoliteと言う町がある。正しく言えば"町のあった場所"がある。つまり はゴーストタウンである。そこで10分ほど休憩を兼ねて観光をする。
http://www.ghosttowngallery.com/htme/rhyo.htm http://www.ghosttowns.com/states/nv/rhyolite.html
トイレが見付からないのでまた道端でようを済ませる。すると後ろでBuzzの笑い声が。直ぐに何をしているか分かった。自分が立小便をしている後 姿の写真を撮っていた。この町は1904年に発見され,その後,数年間採鉱で賑わい1907年には1万人が住んでいたと言う。その後町自体が経済的に不安 定になり多くが町を去り,1920年には千人足らずとなり,1924年にゴーストタウンになったらしい。

Rhyoliteを去りまた砂漠と山だけの景色が続く。あたりは暗くなってくる。眠気が襲う。気が付くと数十分寝てしまったようだ。起きると BuzzとTimがかなり熱くなっている。Pete Roseの賭博問題で彼を野球殿堂から外す外さないで口論している。それにJohnが加わり,話がそれた所で自分が加わった。そしてまた他の野球談義が続 く。日本人選手のメジャー流出など日本の野球人気の改善作なども語った。Sammy Sosaは日本に行くべきなど色々な案が出た。

砂漠の真直ぐな道が起伏の激しい山道へと次第に変わってくる。Renoが近づいてきた。町が見え始める寸前に高速の電光掲示板に"この先タイヤ チェーンを着ける事を薦める"と書かれている。Renoの先の山で雪が降っているらしい。これを見たJohnがBuzzにそれを伝えると「明日の予報を観 て明日キャンセルするか決めよう」と言い出す。もし雪がRenoの先の山に雪が積もってしまえばこの先の公演に影響が出てしまう。SFとLAの公演は Renoのものとは比べ物にならない観客動員数の差がある。ちなみにRenoの前売りは二桁。SFは2週間前に750枚完売。宿を取り,とりあえず明日の 朝決める事に。

ホテルはLas Vegas同様カジノが着いてる。一行は食事を済ませギャンブルに出る。自分は$20あまりをブラックジャックにつぎ込む。Coady, Dale, KurtそしてTimが同じテーブルで参加。そして酔っ払いのJoeなるSF出身の51歳の面白い男性が参加し,冗談を連発し場を盛り上げる。「俺は色々 やったさ。薬も体験したし,ヒッピームーブメントも観て来た。あんた等バンドやっているんだろ?GFDもJefferson AirplainもJanisも観て来た。今,孫も出来てこれ(ギャンブル)が一番の楽しみさ」とJoeのライフストーリも聞きながらのギャンブル。一時 は$60以上の儲けまで行ったがゲームを楽しみたかったので"なくなるまでやろう"と決心する。一時間余りをゲームに費やす。ディラーが変わった途端,負 けが続く。$20以上は使いたくなかったので残りの面々に別れを告げホテルに戻る。ホテルは離れとなっていたため駐車場を横切らなければいけない。外の気 温は2℃。雪がちらちら降り始めていた。

11月28日

朝起,シャワーを済ませて出かける準備をしているとTimから部屋に電話が。今晩の公演をキャンセルし雪が酷くなる前にSFに向かう事が決まっ た。食事を済ませ出発までの間の時間を潰すためにホテルの前にある質屋をのぞくことにした。するとギターが何本か置いてある。70年代に作られたと思われ るIbanezのLes Paulコピーが目に飛び込んできた。背の高い中年男性の店員に手にとり見たいと渡してもらう。状態は70%と言った感じ。値札を見ると高いので"ありが とう"と買う気のなさそうな声でギター返すと「交渉するよ。...$200でどうだい?」と言ってくる。「少し考える時間をくれ」と外に出てDanと相談 して「Daleとも話した方が良いんじゃないか」と言われDaleを捕まえ10分後にその店へ戻る。

今度は老人の女性がカウンターに座っている。ギターをアンプを通して試したいと言うとアンプに繋いでくれた。スイッチが壊れている。ノイズも大き い。$200で修理が必要...断る事にした。するとDaleが「幾らまで負けてくれるか?」と聞くとその店員は「幾らが良い?」と聞き返す。すると自分 は「電気系の状態から言っても$150だな」と言うとしばらく渋ったものの自分の粘りが効き,$150プラス税金でOKにしてくれる事に。お金を払いしば らく待っているとその女性の店員が後ろの方で,一度目にこの店に来た時"$200"と言った男性の店員ともめている。お金を払い戻され「安すぎるから売れ ない。$225出なきゃ駄目だ」と言ってくる。その男を指差し「彼は$200で良いと言ったが状態があまり良くないので$150にしてくれと頼んだ」と言 い返すとその女店員はまたその男にそのことを言い行く。するとDanが彼等の話を盗み聞きしていると「あいつ等は嘘を言っている。俺は$200にするなど 言っていない」と言っていたと言う。嫌な雰囲気になったのでそのギターを諦め店を後にする。ホテルの前に戻ると他の面々から「Toshi,新しいギターは 何所に置いたんだ?」と,皆買ったと思って聞いてくる。いつの間にか自分がギターを買ったと広まっていたらしい。

午前11時にRenoを発ち山道が続く。かなり高い所まで行くと雪が積もっている。道路も見るからに滑りやすそう。その山の反対側に行った瞬間, 雪が無くなる。皆で声を合わせ「越えたぞ!」カルフォルニアに戻ってきた。約4時間でSFに着く。自分はDanの家に泊まる事となる。他の一行はホテルに 泊まる。そこに荷物を預けまたギターを探しに町ヘでる。DanとJaredの3人で中古楽器屋を2軒回る。2軒目でJaredが使用しているものと同じア ンプを発見。相場より60%近く安く売られていて,そこからまた10%値切って購入。自分には何もいいものが見付からなかった。ギター屋を去りホテルに荷 物を取りに行き,Danの家と向かう。DVDをレンタルして観ようとDanが2週間ばかり前に会員となったビデオ屋に行くとそこが店じまいとなっている。 全てのDVDがレンタルではなく売られている。仕方なくDVDを2本購入。その一つ"Stoned"を観る。これはイギリスで作られたRolling Stonesの初代ギターリストの一人Brian Jonesの映画である。それを旅の疲れを堪え何とか観終え寝床に着く。

Los Estupidos Van a Las Vegas

11月25日

友人に送ってもらいレンタカーを手配していたので,それを取りに行き,その車でリハーサルスタジオに行きギターとアンプ,Danのベースを取ってくる。久々に新しい車を運転するので快適なドライブができそうとワクワクしてくる。

11月26日

朝,6時半に起き準備をして8時過ぎにLas Vegasに向け出発。大量のCDを積んでいく。約4時間のドライブも好きなCDを聞いていくをあまり長い時間には感じられない。走ったことない高速だっ た為,休憩所やガソリンスタンドのタイミングが分からない。尿意を催し始め直ぐに見つけた休憩場が閉鎖されている。次の出口で降り,海抜約1220メート ルの砂漠で立小便。高速に戻りしばらく走ると急に景色が変わってくる。。飛行機も出入りも激しくLas Vegasの高いビルも立ち並んでいる。空港にDanを迎えに行き,二人で知らぬ町をドライブ。タクシーの数が半端でない空港のターミナルを去り,別名 "Strip"ことLas Vegasブルバードを走ると映画やTVでよく観る景色が広がる。凄い数の観光客と思われる人々が通りに溢れている。ボクシングで有名なMGMを右手に高 速に戻り宿を探しにOld Las Vegasことダウンタウンに向かう。

迷いながらもホテルを見つけると急に人の数が減っていることに気付く。大都会から郊外に来たような感覚。ホテルを抑え部屋に荷物を置き昼飯を取り に店を探しに良く。町を歩く人が派手な"Strip"とは違い,定年退職した人や地味な観光客が目立つ。ホームレスの人も多い。砂漠とは言え11月となれ ば肌寒く念のために持ってきていた皮のジャケットが役に立つ。Danと店を探して通りをさ迷っていると,ホームレスらしき人に肩を叩かれ「格好の良いジャ ケットだな!」と誉められる。Danと二人で「(ジャケットを)あげた方が良かったかな?」「駄目だよ,あげなきゃ」などと冗談を交わす。レストランを探 す物のステーキ屋かマクドナルドばかり。仕方なくステーキ屋に入りサンドイッチを頼む事にした。味はまあまあ。店員はどの客も"ハニー"と呼んでいる。何 かがカリフォルニアのレストランとは違うと感じた。店の中は禁煙席と喫煙席と分かれている。タバコが店の中でいまだに吸える。

ホテルでちょっと休んだあと,車に戻り会場に向かい機材を置きに行く。歩いても5分とかからない会場に着くとローディー達が機材を運び込んでい る。自分達も機材を預け,レンタカーを返却しに"Strip"にある有名なホテルに向かう。また凄い人の数を目のあたりにする。そのホテルからタクシーで 会場に戻るとBuzzとツアーマネージャーのTimが来ていた。挨拶を済ませDanと二人で曲を数ヶ月ぶりに合わせる。Danは時間が無く練習不足だった ためかかなり不安な様子。そこへいかにも脳ミソまでが無駄な脂肪のような,見るからに人種差別主義者でハゲてデブな会場のマネージャーらしき男が自分達の 直ぐ横に座る。あまり話したくは無かったのだが眼が合ってしまったので挨拶をして「チケットの売上はどうだ?」と聞いてみる。人の内面は外見に出ることは 間違えなくあると思った。案の定,このハゲデブは「そんな事,俺の知ったことじゃね~。チケットが売れようが売れまいが俺の給料はかわらね~」と聞いても いない自己中心的な答えが返って来る。そのクソ男を無視してそのアホの隣にいた感じの良さそうなチケット売り場の兄ちゃんが「前売りは65枚しか売れてい ないね」と答えてくれた。「でも前売りが売れていなくても当日券で200人以上入る時もあるからね」と兄ちゃんが続けた。会場は広いとは言え,そのクソ男 と前売りの数と言い,あまり良い予感はしていなかった。

しばらくするとDaleとBig Bisinessの面々が会場入りする。Melvinsのサウンドチェックが直ぐに行われ,それが終わりAltamontの番になる。今回はドラマーの Sashaがツアーに参加出来なかった為,MelvinsとBig Businessでドラムを担当しているCoadyに叩いてもらう事になっていた。2週間ほど前にAltamontへの参加を依頼して,2度ほどDale に教わっただけでAltamont全員であわせるのはこれが始めて。緊張が走る。あわせてみるとまだCoadyは曲を完全には把握していないようだ。"大 丈夫か?"不安はどんどん募っていく。開場の時間が迫る。ハゲデブエゴクソ男が「開場が近いから,もう演奏は止めろ!」と言って来るがそれを無視して1 セット通して練習する。

楽屋に戻ると直ぐに開場となった。客の入りはいまいち。500人は入ると思われる広さだがその3分の1といった所であろうか。初っ端が Altamont。ステージに上がるとあまり上品ではない客が色々言ってくる。自分の持っているファイヤーバードのコピーを見て,「フリーバード弾け!」 とか「Black Label Society(12月に同じ開場に来る)の曲やってくれ~!」とか言っている。それに対してDaleは「ハイハイ,分かったからもう少しステージの近く に来いよ」と客を煽る。曲が始まると客の反応は次第に良くなってくる。客の乗りは決して悪くはない。でも合わせるのが久しぶりであるのとCoadyは完全 にDaleのサイン通りに動いている。決してよいパフォーマンスではなかったがDaleが客に「殆んど練習なしで今日初めてAltamontの一員として ドラムを叩いてくれるのがCoadyだ」と言うと暖かい拍手が沸き起こる。最後の曲が終わるとDaleが"Monkees' Uncle"の前奏をCoadyに叩かせノイズ・ジャムとなる。そのままそれを続け終わらせるのかと思いきやDaleが自分とDanを見ていとさし指を立 て"もう一回"と言っている。簡単に考えれば"この曲をもう一回弾く"と言う事だったんだが,自分は何故か"何がもう一回なのだろう"と考え込み何が何だ か分からなくなってしまった。ドラムのパターンが変わりようやく"あああああ"と理解したは良いが,自分はこの曲をエレクトリックウクレレで弾くので慌て てケーブルを入れ替え何とか曲に追いつくが追いついた時には3番の歌詞に入っていてた。

何とか(!)演奏が終わり控え室に戻るとTimがサンタの格好をしている。TimはDaleとBilly Andersonとの3人で(Men Of) Pornと言うバンドを数年やっている。このツアーはそのPornも参加している。ただBillyは来れなかったためライブエンジニアであるKurtが ベースを担当している。Kurtは上半身スーツ姿に下半身がトランクスと言った衣装を毎回着ている。Daleはエルビスプレスリーの衣装を持参してきて, それにカツラとサングラスまで着てステージに上がっている。サンタの格好をしたTimは自分を見るなり"オイ,ボーイ!サンタと写真を撮りたいか"と言う ので,自分は子供のようにうなずきサンタの膝に座って写真を撮ってもらった。

お笑い演出たっぷりのPornの演奏が終わると15分弱のセットチェンジを終えBig Businessのセットとなる。曲間にJaredが話で笑いを飛ばす。数曲終わるとDaleがギターとして加わる。Daleとの演奏を終えるとBig Businessのみが1曲を行う。その曲が終わるとCoadyはバスドラムのみでアップテンポなリズムを刻む。ショートスウェットパンツに履き替えた DaleがJaredとおそろいのムウムウを来たBuzzとともに入ってくる。Daleが同じリズムでバスドラムを弾き始めその直後にマーチングドラムと なり曲に入る。その後はMelvinsのクラシックと最新アルバム(A) Senile Animalから8曲と盛り沢山。9月に撮影されGoogle(http://video.google.com/videoplay?docid=-5107214296988915033)に載っていたビデオの演奏とは全く別のバンドが弾いているように息が合っている。言葉が出ない...このバンドを数ヶ月前に録音したかと思うと鳥肌が立ってきた。

公演は無事終了。楽屋で飲むビールが美味い。しかも紙やプラステックのコップに飲み物を移せば外でも酒が飲めると言う。外で飲むビールはまた美味 い。でも寒い。一行はその足で眠らない街へ繰り出す。カジノとその他色々。昼間のこの街は好きそうになれないが夜は大好きになりそうだ。

Friday, December 15, 2006

Blast!


Blast!

People who attended those shows in LV, SF, LA, SD and CM, thank you so much!!!
Hope you enjoyed!
I had a blast!
Sorry guys who could not make it.

Here are links of pics from those shows.
http://www.tastelikedirt.com/

http://melvins.sunishun.com/troub_113006/

http://www.flickr.com/photos/43262000@N00/tags/melvins/

http://www.kaztsurudome.com (Pending)

If anyone konws other sites where put pics from those shows, let me know!
Thanks, Jim, Gene, and Kaz!
Thank you, Glen for the info!

Saturday, November 11, 2006

Nevada & California

Altamont will join the tour of the Melvins, Big Business, and (The Men of) Porn.

11/26/2006 08:00 PM - Celebrity Showroom
Downtown Las Vegas
Las Vegas, Nevada

11/28/2006 08:30 PM - New Oasis
2100 Victorian Ave.
Sparks, Nevada 89431

11/29/2006 08:00 PM - Great American Music Hall
859 Ofarrell St
San Francsisco, California 94109

11/30/2006 08:00 PM - Troubadour
9081 Santa Monica Blvd
West Hollywood, California 90069

12/01/2006 08:00 PM - Casbah
2501 Kettner Blvd
San Diego, California

12/02/2006 09:00 PM - Detroit Bar
843 w. 19th street
Costa Mesa, California 92627

Wednesday, October 25, 2006

Thursday, September 28, 2006

Buy a pair of great speakers and wait for it few more days!

Waiting is over...almost.

I just want to remind you that the new Melvins album will be released in less than two weeks. Buy CDs, not MP3s. You CAN tell the difference between those two formats! If you CAN'T, buy big, nice speakers! Stop listening the music through earphones! You can feel the band through

GIGANTIC Speakers! Oh yes!

"You can still tell it's us, but we've tried to grow. It's way better than all of our other stuff — way better." — The Melvins' Buzz Osborne

http://www.mtv.com/news/articles/1541436/20060921/index.jhtml?headlines=true


Wednesday, September 06, 2006

Photos

My friend who is a great photographer just renewed his website. http://www.kaztsurudome.com
There are so many great photos. Melvins fans, sorry that I wrote blogs about the session only in Japanese. Some sent me and complained about it. It took while to write those short sentences in Japanese. I can't imagine how long it would take if I wrote those in English. I'm not a writer after all. Anyway check the web site, you can find more pics from the session, those are amazing!!!
By the way, thank you for the link, Kaz-san!!!

Sunday, August 06, 2006

M x 4: Mastering

7月18日

レコーディング,ミックスは終えたものの音源処理の最終段階のマスタリングをVentura Countyにあり,馴染みのエンジニア,John Goldenのスタジオにメンバーとともに向かった。VenturaはLAから北に50分ばかり車で走った所にある小さな町。綺麗な田舎町といった所で自 分も時々和みに来る場所である。そんな場所にあるJohnのスタジオは低予算で出来,Johnは自分勝手に作業を進めずあくまでも客が望んでいる事を聞い て,それ以上の結果を出してくれる自分の最も信用しているマスタリングエンジニアである。

いつも変わった事をするMelvinsに慣れているJohnは「今回は何をやったのだ?」と言われる前に聞いてくる。するとDaleが新しい二人 を紹介し「ドラムが二つなんだ」と言うと「ちょっと待ってくれ,レコード(12インチの丸い物に溝が彫ってあり,その溝に針を当てて聴くCDの前にカセッ トともに市場に出回っていたもの)を作るって言わないでくれよ」とドラムが二つでは溝を作り難い事を十数分話始める。レコードを作るかは現時点では不明。

当初は11曲の予定だったが1曲減らし10曲をJohnに渡す。ちなみにその除かれた1曲は次のアルバムへ移行されると聞き,自分の名前が自動的 に次回作に載ることを知り嬉しく思った。初めてフルアブムを今回使ったスタジオ,WestBeachでミックスしたため自分は100%の自信はなかった。 が,Johnは「Toshi,いつもどうりいい音で出来ている。いい仕事してきたな」と声をかけてくれる。それを聞き後は彼に任せ仕事はどんどん進んでい く。約5時間半で仕事は片付き出来上がったCDをもってLAに向かう。


一旦,そのCDをコピーするため部屋に戻る。そのついでにメールを確認しているとノルウェーのMelvinsファンで友人の者から連絡が入り,このアルバムのことについての記事が載ったサイトのリンクをもらった。http://www.roadrunnerworld.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=55257
発売日が載っている。自分も知らなかったが本当かどうかは定かではない。そのCDをもってDaleの家に向かう。ビール片手にBBQを食べながら聴く出来上がったCD。顔はにやけているのだが安堵からか急に疲れが出てくる。よく眠れそうだ。

M x 4: 十三日目-experimental

7月13日

最終日。本格的にやる曲は1曲と言う事で念入りに出来た。バンドも自分に任せきったのか,飽きてきたのかあまり口を出さない。やりたい放題。ドラム,ギ ター,そして2つのドラムが同じリフを2分弱その曲の終わりに行っている。これはいじるしかない。ただエフェクトを使うのはひねくれ者の自分には会わな い。こうなる事予想して使っていた遊びマイクや自分の部屋で作ったエフェクトでは出来ないような小細工を所々に使い聴き手を飽きないようにする。バンドに 聴かせると喜んでいてやっと今回少なかった実験的な音が入った曲になった。

2曲目,と言ってもノイズのみ,を終わらせ全ての曲を順番に並べて確認しようとCDを作っているとToolのAdam Jonesがツアーの半分を終わらせ,短い休みの合間をぬってスタジオに遊びに来た。全ての曲をAdam,Buzz,Daleそして自分とが真剣な眼差し で聴いている。Adamは曲をかなり気に入っている様子。自分の作った音にも「この音良いな」と反応したので,そのときばかりはあごを上げて軽く目でうな ずいたやった。最後から二曲目を聴いた時には「これはMelvinsの曲で一番好きな曲になるな!」と答えるAdam。

スタジオを早く引き上げる事が出来,時間が余ったのでDaleの家でビールをもらう事に。Daleも自分もアルバムの出来に手ごたえを感じたのかいい酒になった。来週のマスタリングへと流れていく。

M x 4: 十二日目-Steak

2曲のミックス。今日は始めてのダブルベースの入った曲。2曲目の方はアルバムの1曲目となるので慎重に行くようにとBuzzに言われ気合が入る。ステレ オのドライブしたベースがうねりを利かせドラムが適切な個所で跳ねギターが味を付け終いには3部ハーモニー。それでいてひねくれている。Melvinsの ようでなくてMelvinsよう。聴いてもらわなければ説明の仕様がない。

昨日から自分だけがあくせくして,皆はビデオインタビューや取材でスタジオのロビーでくっちゃべっている。でも今日2つ目の取材は"The Future"http://toshimanaki.blogspot.com/2006/05/future.htmlの面々。知り合いでもある彼らはわざわざBBQのネタを用意してくれた。旨かった。こんな取材が続くと良いのだが...考えてみたら明日が最終日。スタジオでのBBQもこれでしばらくはないだろう。

M x 4: 十一日目-ahead & hot

7月11日

引き続きミックス。3曲終わらせた。3曲目は久々の短時間ミックス。2時間弱。録音状態が良いと早くミックスは進む。他の曲がその曲に比べ録音状態が良く ないといった方が適切かも。この時点で予定より先へ進んでいる事を確信した。でも何が起こるか分からない,気を引き締めて明日の仕事へ向かいたい。

7月4日以来続いていたBBQが今日で途絶えてしまった。その代わりはタイ料理。スタジオの近所の店でよく行く場所であるのだが,彼らは"マイルド"の意味がわからないようだ。いつも"マイルド"を頼むと激辛で出てくる。今日も例外でなかった。

残り3曲。ツインドラム,ダブルベース,たくさんのギターとボーカルとハーモニー。どれをとっても激辛な曲ばかり。辛い物食べて燃えて来た。

*http://www.kaztsurudome.com
にて初日から第3日までの写真を公開。"News"をクリック。

M x 4: 十日目-heaviness

7月10日

今日は2曲のミックス終わらせ,3曲目に入ったところで作業終了。軽いギターの入った曲は今日で終わらせ,残りは激しくなってくる。途中で終わらせ明日仕 上げる今日は車を運転しながら聞いたら180km/hくらい出してしまいそうなアップテンポで激しい。ギターの音も自分で取ってはいるものの聴いていて気 持ちが好い。

1曲目が終わったところで耳を休めるため休憩する。Coadyと2人で隣にあるスーパーに買い物に行く。よく考えてみるとここは Hollywoodにあるスタジオ,周りはやかましくとても耳を休める環境ではない。とどめには救急車もサイレンをガンガンして通り過ぎて行き,耳を休め るどころか余計疲れてくる。

今日,始めて4人の意見が割れる事もあったがその中間を取り皆が満足。皆満足の行った顔で2つのミックスを終わらせ帰路に着く。自分は一人寂しく 明日やる曲の準備のためスタジオに1時間くらい居残り。でも曲を聴くと早く終わらせたくなり燃えて来る。明日が楽しみになってくる

M x 4: 九日目-light to heavy

7月9日

朝起き自分の部屋でできることはしていく。家でスタジオまでの時間4時間あまりコンピューターを相手にミックスの準備をする。そこからスタジオで10時間。
ミックス2日目。わり合いストレートで軽いものから始め順調に進んでいく。日本の雑誌Grindhouse http://www.grindhouse.jp/のインタビューがあり,多少の中断はあったもののなかなか良いもが出来上がっている。実験的なものが 少ないとは言え,ツインドラムと言う事でス トレートな曲をやると言う事自体が実験。トラックの数が多い事に気付いた。自分も彼らもここまで多くのトラックを利用した事はない。軽めの曲でもドラムは 重い。
とりあえず2曲終了。あっという間に時間が経っていた。一曲をもう少しと言う所で切り上げ明日スタジオに戻りまた聴き直す。アパートに戻ってからもまた他の曲の準備。だんだんと重いものへ移行していく。

M x 4: 八日目-laugh, mix



7月8日

半日を録音で使いついにミックスへと移行した。アシスタントが今日は用事があったので休みで自分で全てをやらなければいけない。昨日の"ヒヤリ"とする出来事以来,BuzzとDaleは事あるごとに「バックアップしたか?」と言ってくる。

Jared とCoardyは用事があるので早めに引き上げ久々オッサン3人の仕事となる。とは言うものの全く仕事と考えているとは思えない。人が 一生懸命ミックスしているのに横でDaleはメガフォンで叫んだり,Buzzはスピーカーを妨げようとスピーカーの前に物を置いたりと自分の邪魔ばかりす る。それらを放って置き何とか一曲目のミックスができる。まぁまぁの出来。

それをCDに焼いてくれと頼まれ焼いている時,Buzzがどれ くらい時間がかかるか聞いてくるので,自分は「かなりかかるね(冗談)」と言いかえ す。"1分46秒"最近のテクノロジーは素晴らしい(昨日と言っている事が全然違う)。コンピューターの画面を観ながら残り時間のメーターが減っていくの にあわせて自分は効果音を口で作った。それを聴いたBuzzが「Toshi,お前はコンピューターの前に居すぎだ。休んだ方がいいんじゃないか?」と言う ので自分は「休みくれよ」と言う。その横でその効果音の音がツボにはまったのかDaleが泣きながら笑っている。「今のどうやったんだ?俺には出来ない」 とヒーヒー泣いている。それを観て自分ももらい笑い泣き。その2人を観てBuzzが笑う。まだ10時前だったが夜の2時を越えたときのような状態。3人で 笑いが止まらない。

*Photo By http://www.kaztsurudome.com

M x 4: 七日目-shit happens

7月7日

スタジオに着いて直ぐに昨日やったファイルをバックアップする。その直後メインドライブが使用不能となる。何度叫んだか,"F"ワード。慌ててバックアッ プのバックアップを始める。今までに2度起きていることだからそれほど驚かなかったがこの短期セッションで起こって欲しくはなかった。今までの時間的貯金 が半分に減ってしまった。バックアップしている間に聴いた今までのラフミックスでだんだん気持ちも高まってくる。
テクノロジーとはなんとも便利であってまた面倒くさいものだ。2時間後,気を取り直して録音再開。何とか軌道に戻り録音も進んでいく。

M x 4: 六日目-70s sound


7月6日


次々に終わっていくボーカル,ギター取り。細かいギター取りが続く。自分の作ったFuzzボックス,T-Fuzzも2曲 で使われる。今日のメインの曲はT‐Rex,Cheap Trick,そしてZeppelinをMelvinsとBig Businessでわったような曲。ギターはBuzzのレスポールカスタム。アンプは自分のGretsch 6161。それにBB PreAmphttp://www.prosoundcommunications.comをかましなんとも懐かしく暖かい音を作った。MesaのRectifierのホワイトノイズ的な音が蔓延るメインストリームロックの中,この 音は聴いていて気持ちが良い。自分でセッティングしているのでほぼ自画自賛(?)。
この曲と言い他の曲と言いポップな曲もあり,なんとなく"Houdini"を思わせる。前回のアルバム"Houdini Live"が彼らを原点回帰させたのかも。勿論,ヘビーネスも忘れてはいない。
夕飯は3晩連続のCoadyのBBQ。ホットドック。
Daleの赤ちゃんをスタジオに連れてきたのとJaredが見て,「"赤ちゃんがいるから,赤ちゃんの鳴き声録音しようぜ"って言う奴多いよな。 犬を連れてくると必ず録音する奴も多いし」と言うので。自分は「"日本人がいるから日本人を録音しようよ!"って奴もいるのかな?...待てよ! Melvinsがそれやったわ!」と言い大爆笑が起こった。