Monday, January 30, 2006

San Diego - Les vs. Wuss ツアー日記(vs. the Sermon)

1月19日

1時にSashaを拾ってDaleの家に一旦集合して,Daleの家に泊まっていたDanのメンバー全員でそこからDaleの車に荷物を積め出発。途中で2日連続でInn-'n-Outバーガーで昼食(?)を済ませ,4時半ちょっとすぎに無事会場到着。中身はなかなかのもの。ステージもちゃんとある!昨晩とのギャップとかなり大きいステージで興奮を抑えきれない。荷物を降ろしサウンドチェックまで多少時間が残っていたのでとりあえず会場の近所をSashaと歩き始める。何か物静かな工業地帯で若者が集まるようなところとはとても思えなかった。そんな不安を残し会場に戻りサウンドチェックを始める。

今晩のバンドは自分等を含め4バンド。多すぎで不満には思っていたもののMyspaceでの反応や会場の広さを考え大丈夫であろうと高をくくっていた。サウンドチェックはショーでの順番とその逆で始まり,つまりはヘッドライナーのAltamontが最初に行う。昨晩の失敗の中の一つにエレクトリックウクレレを置く場所に困った事があり,それを克服するために金ハンガーを曲げて作ったウクレレ掛けが大活躍する。それと忘れてはいけなかったのが前回のJello Biafra with the Melvinsとのツアーの始めの方で投げられた縁起物のブラジャーをキーボードスタンドに掛けてサウンドチェックを行う。なかなかのモニターの良さに満足は行くものの,自分の声が聴こえすぎで,自分の歌の下手さを改めて確認させられる。なので少し自分の声をモニターから落としてもらう事にした。

The Sermonも無事に終え,その他の知らない2バンドのためにステージを開ける。後で気付いた事なのだがショーのオープニングを勤めるはずのRunHoneyと言うバンドがその次のバンドBrilの前にサウンドチェックを行っている。Brilが遅れているらしい。女性だけのバンドRunHoneyはドラマーがモヒカン頭で,残りの二人が普通の格好をして,見た目がアンバランスのバンドであった。しかもステージ横から見ているとモヒカンネ―ちゃんの半ケツが見えている。「まぁいいか」とか思っていると,Brilが到着してRunHoneyのチェックを中断させてまで準備を始める。しかもBrilの専任の坊主頭のサウンドマン(ウンコ生意気な野郎)が来てドラムステージを使わせろと言ってくる。本来前座はドラムステージを使うはずではないのだが,The Sermonのドラマーがあまり気にしていなかったため,よしと言う事になった。でもこのBril何かが違う。若いし,格好もお洒落だし。なんと言っても機材が半端じゃない。「こいつ等~!お坊ちゃまバンドだな~」どう見ても20歳そこそこ。ギターペダルの数と質が半端じゃなかった。その一つ一つのペダルの値段が自分の全てのペダルの値段と一致していると言っても過言ではなかった。しかもCold PlayやPhantom Planetのウスロック(Wuss Rock,the Simpsonsからの引用)を腐らせたようなバンドだし。バラードまで弾き始めやがった。しかも座ってキーボード弾いていやがるし。どう言うブッキングの仕方だか...しかもどのペダルを踏んでも"ポアンポアン"といったトレモロの音だし。"トレモロ一個持ってりゃ良いじゃね~か~"と嫉妬している自分がいた。

寝不足と疲れの所為か食事を終えたら眠気がさしてきて,楽屋で転寝をしてしまう。そうしている間に開場され,お客が入ってくる。RunHoneyの演奏が始まる。客の声援も聞こえてきて,興味本位でステージを除いてみるとかなり客が入っている。RunHoneyの演奏もまたAltamont,the Sermonとはかけ離れており,何かが違う気がした。エレクトリックアコースティックギターを使いバラードが演奏される。クビをかしげながらとりあえず飲み物をもらいにアリーナを横切ってみる。すると以外にも女性の姿が客の中にも目立つ。心の中では「ヨシャ~ッ!」と思いジントニックをバーでもらう。かなりの女性の数40人近くはいる。でも何かがおかしい。目を細め周りを見渡し気付いた。40人全ての女性がレズビアン!RunHoneyはレズビアンによるレズビアンのためのバンドであった!またもすばらしいブッキング・テクニック(皮肉)。後でSashaに聞いた事だがRunHoneyの売店を勤めていた可愛い女性はそのモヒカンネ―ちゃんと付き合っているらしい。しかも観客の女性達にもレズビアンにしておくにはもったいないくらい可愛い子や綺麗な子ばかり。今度はむなしくその悔しさにこぶしをかんでいる自分がいた。

その一大事に気付き慌てて他の客に目を向ける。Altamont/Melvinsファンと言えば男性が9割以上。おかしい,少なすぎる。と言うか女性が多すぎる。一大事というのはRunHoneyが終わればレズビアンたちは帰ってしまう。そんな時,目に入ってきたのが数人の年配の方々。良く分からなかった。しかもその中の2人は松葉杖をついてきている。普通,足を怪我していればライブには来ないのではと疑問にも思った。どうやらお坊ちゃまバンドRunHoneyの保護者か,そうであったかは確かではないが,彼等を観に来ていた事は後で明らかになった。

案の定,RunHoneyの演奏が終わるとレズビアンたちは次々に帰って行ってしまう。Brilが演奏をし始めると開場の客は半分以上帰っていた。「ざま~ね~な~,お坊ちゃま方!」と一瞬喜んだが,自分たちはこの2つ後であると我にかえり焦り始める。そんな事お構いなしにBrilのギターは相変わらず"ポアンポアン"言っている。Brilがバラードを弾き始めた瞬間,自分の中で何かがはじけた。どうでもよくなってきた。思いっきり楽しみたくなってきた。楽屋に戻りギターを掴みウォーミングアップを始める。

The Sermonの演奏が終わり準備に取り掛かると,お客が少し増えている事に気付いた。でもその時の自分にお客の数は関係なかった。昨晩の失敗の原因の一つにモチベーションの低さがあったが,今晩は高かった。ステージも高いし,もしかするとステージの高さとモチベーションの高さは比例するのでは...昨晩Danと話していてブラが自分の使う機材に引っかかっているとDanと自分は調子がよくなると言う事にも気付いた。BakersfieildではDaleのマイクスタンドに掛かっていた。それもジンクスなのであろうか?そのブラが掛かっている事も確認して演奏を始める。かなりステージから離れていた客達も次第に近づいてくる。数人の客たちはセットが進むごとに頭の振りが大きくなって乗ってきているようだ。自分も最後のノイズジャムへの流れも昨晩とは大違いでスムーズに行く。あまりに興奮していたのかベースキャビネットの目の前に横たわって演奏してしまう。演奏が終わった時,あまりのベースの音の大きさで自分の耳が変になっている事に気付いた。調子に乗ってしまった。でも少ないながらも来てくれたお客は喜んでくれたようだし,自分の演奏にも納得が行ったし,大満足でステージを降りることが出来た。

その後,片付けを終えバンに荷物を積んだ後,Daleの友人で会場から5分くらい車で行ったところに住むPaulの家に一晩厄介になる事になる。その後4時ごろまで飲みながら話し込む。一番盛り上がった話がPaulの彼女MelodyがRedwood(http://toshimanaki.blogspot.com/2006/01/blog-post_113668545470213011.html)の近くの出身と言う事もあり,Paul Bunyanの雄牛Babeの青ダマの話であった。

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